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HDDプレーヤーにも私的録音録画補償金が?(1/2 ページ)

» 2005年01月24日 18時19分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 文化庁は第14回 文化審議会著作権分科会(分科会総会)を開催、昨年8月に行われた第13回 分科会で設置が提案・承認され、これまで活動を行ってきた「契約・流通小委員会」「国際小委員会」「法制問題小委員会」の審議結果が報告された。

著作権管理事業法は「直ちに改正の必要なし」ながらも「継続した検討が必要」

 契約・流通小委員会では主に著作権管理事業法について、同法附則第7条に基づく再検討を行ってきた。同委員会主査 土肥一史氏(一橋大学教授)の報告によれば、「施行状況についての意見募集を行ったところ、旧仲介業務法から大幅に規制緩和を行ったため、管理事業者に対する規制強化を求める意見が多かった」という。

 同委員会ではそうした意見を受け、同法について「規制対象となる事業の範囲」「登録手続きと指導・監督」「管理事業者に対する規制」「使用料規定、協議・制定制度」など各項目について検討を行ったが、最終的には「直ちに法律の改正が必要とされる事項はない」という結論に達した。

 しかし、同時に同委員会では、「状況変化を確認しつつ、規制対象のあり方や管理著作物の利用状況などを把握するために実態調査を行うこと」と、「調査結果を確認した後に、再度、法改正に値するかを来期の委員会で継続して議論するべきである」との意見をまとめた。

国際小委員会には、より強力な海賊版対策を求める声が挙がる

 国際小委員会では放送条約への対応のあり方と、アジア諸国との著作権に関する連携のあり方について議論が行われた。

 放送条約への対応については、どこまでを「放送」として認めるかが大きなテーマとなっていたが、「放送」に該当するかが議論されていたウェブキャストについては、いったん見送られることになった。

 完全に見送られたわけではないが、同委員会からは「我が国としては、まず放送・有線放送を放送条約の保護対象としてとらえるべき」(国際小委員会主査 弁護士/早稲田大学教授 道垣内正人氏)との結論に達したことが報告された。

 もうひとつのテーマ、アジア諸国との著作権に関する連携については、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)などによる2国間協議による対応を進めていくほか、アジア地域著作権制度普及促進事業(APACEプログラム。 世界知的所有権機構と共同で、各国国内法の整備や著作権管理団体の育成を支援するプログラム)などを利用して連携を深め、海賊版対策も強化していくと報告された。

 しかし、委員のなかからは「著作権について意識の薄い国に対しては、国として圧力をかける時期ではないのか」(日本音楽著作権協会理事 岡田冨美子氏)、「日本の著作権者と、著作権についての意識が違いすぎる場合も多い。現在の働きかけは形がい化しているのではないか」(日本映像ソフト協会会長 角川歴彦氏)など、より強力な働きかけを求める発言も見られた。

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