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米国防総省、児童ポルノ画像のデータベース開発で捜査を迅速化

» 2005年01月26日 11時26分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米国防総省はテロリズム対策で50万ドルの予算を使い、児童ポルノの摘発を効率化する任務にサイバー犯罪の研究者を従事させると発表した。

 国防総省のDefense Cyber Crime Center(DC3)は「Known Image Database System(KIDS)」というプログラムを2004年7月から立ち上げており、子供を対象としたポルノ画像を発見する処理を高速化し、コンピュータ犯罪捜査官の負担を減らしている。この新しいプログラムには膨大なデータから関連する画像を検索する技術が使われており、サイバーテロや陰謀などにも応用できるという。

 この技術が使われるようになったのは、国防総省の科学捜査官がコンピュータ犯罪で忙殺され、その半数が児童ポルノ犯罪に関するものだったからだという。

 科学捜査官は、押収したコンピュータの中から、年少者のポルノ画像を探し出す。1件につき数週間から数カ月を要する作業で、ほかの事件の捜査への影響、担当者の疲弊にもつながる。

 KIDSは2004年5月にGeneral Dynamicsと契約し、数カ月かけて開発・導入したシステムで、既知の児童ポルノ画像の大規模なデータベースを作り、メッセージ解析アルゴリズムにより、問題の画像を探り当てる。この画像データベースにはSANが用いられているという。

 KIDSにより、容疑者の所持している画像とコンピュータに保存されていた児童ポルノ画像を見比べていく作業から捜査官は解放されることになる。捜査官は、容疑者のコンピュータから画像だけでなく、トロイの木馬や不正コードも探す。所有者が知らないうちに、ポルノ画像を置かれてしまった可能性もあるからだ。

 このシステムにより、科学捜査官の捜査期間は90日から2週間に短縮された。国防総省はわずか27件で42万5000種類のポルノ画像を取得し、カタログに追加したという。

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