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200Gバイトのホログラムディスク、来年にも標準化申請へ

» 2005年01月26日 21時57分 公開
[ITmedia]

 ホログラム技術を利用した次世代光ディスクの開発を進めるオプトウエアは、国際標準化団体であるEcma Internationalが、同社の開発する「コリニアテクノロジ」を採用したホログラムデータ記録ディスクの標準化について検討を行う技術委員会を設立したと発表した。

 ホログラム記録技術は、データをレーザー光の“干渉縞”としてディスクに記録する大容量メディア技術。コリニアテクノロジは、データを干渉縞による体積ホログラムとして記録するための「参照光」と「信号光」を同軸状に配置し、1つの対物レンズでメディア上に照射することで、ホログラム記録技術の難点であった光学系の複雑さを緩和できる。

 同社では同技術に基づく「ホログラフィック・バーサタイル・ディスク」(HVD)と「ホログラフィック・バーサタイル・カード」(HVC)の実用化を目指しており、設立された技術委員会「TC44」は同規格の標準化を検討する。

 具体的には、容量200Gバイトの「記録用HVDカートリッジ」と100Gバイトの「読み取り専用HVD」、30Gバイトの「HVC」、「読み取り専用HVD用ケース」という4項目について2006年末までに検討を行い、ISO(国際標準化機構)への提案を行う。

 TC44は昨年12月に行われたEcmaの総会において設立が承認されており、同社のほかにもCMC Magnetics Corporation、Strategic Media Technology、東亜合成、パルステック工業、富士写真フイルムの5社が共同で設立を提案している。

 記録用HVDのドラフト第1版は今年3月に完成する予定で、HVCと共に来年6月のEcma総会での承認を目指す。また、「読み取り専用HVD」と「読み取り専用HVD用ケース」については、来年12月の承認を計画されている。

 なお、HVD/HVCには「Phi」 (パーマネント・ホログラフィック・インフォメーション)と呼ばれる、データ記録後に媒体を感光させることによって、データの改ざんを防ぐ仕組みが実装されている。同社では情報保全が求められる業務市場を中心に、HVD/HVCを紹介していくとしている。

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