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ソーシャルネットは他サービスへの誘導口――ライブドアのねらい

» 2005年01月28日 01時55分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「ソーシャルネットは単体でやっても意味がない」――ライブドアが運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「livedoor フレンドパーク」を開発した、同社ポータルサイトグループの水波桂ディレクターはこう言い切る。SNSに期待するのは、同社サービスとユーザーをつなぐハブとしての役割。単体での採算にはこだわらない。

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 フレンドパークは、大手ポータル初のSNSとして1月17日にβ版がスタートした(関連記事参照)。参加には既存ユーザーからの招待と、ライブドアID(無料)が必要だ。プロフィールを公開して同じ趣味を持つユーザーとコミュニティを作ったり、写真付き日記を掲載するなど、先行SNSと同様の機能を備える。

 実は、SNS構築の構想は昨年初めころからあった。ただ、同時期に出会いサイト「livedoor アミーゴ」をオープン。一昨年末には「livedoor Blog」も始めており、SNSは後回しになっていた。昨年末になって開発に本腰を入れ、スタッフ5人、2カ月で作ったという。

 他SNSとの最大の違いは、総合ポータルの強みを生かした他サービスとの連携だ。「livedoor アバター」で作ったアバターを表示できるほか、プロフィールページの「Skype me」アイコンをクリックすれば、IP電話ソフト・Skypeによるメッセージングや通話が可能。livedoor Blogに書いたBlogも取り込んで表示できる。

 近く「livedoor デパート」で購入した商品を公開したり、DVDレンタルサービス「ぽすれん」の作品レビューを掲載可能にする予定。フォトアルバム「livedoor フォト」の画像や、出会いサービス「livedoor アミーゴ」のプロフィールを掲載する、といった連動も考えている。

 水波ディレクターは、SNSを他サービスへの導線と位置付ける。未知のサービスや商品でも、知り合いが使っていたら試してみようと思えるもの。SNSの“人と人とのつながり”がもたらす信頼感を、デパートやぽすれん、アバターなどの利用増につなげる。

 SNSという形にこだわるつもりもないという。「ライブドアIDに友達リンクがついてくるイメージ」(水波ディレクター)。友達が使っているサービスや、興味を持っているものを参照できるサービスとして、機能拡張を進める。

ユーザー数の壁を破るには

 課題は、伸び悩むユーザー数だ。開始初日、一気に1000人以上が集まったが、その後は徐々にしか増えず、1月26日時点では約3000人。1月中に1万人くらいは集めるつもりだったが、あてが外れた格好だ。「初めの1000人は、国内SNSに全部入っているようなヘビーユーザー。それ以外のユーザーが取り込めていない」(水波ディレクター)。

 SNSは、複数を掛け持ち利用するのが面倒だ。複数のサービスに登録してても、積極的に使っているのは1つか、せいぜい2つというユーザーも多い。登録が30万人の「mixi」や、10万以上の「GREE」など、先行サービスからの乗り換えを促したいというのが本音だ。

 ユーザー増の切り札は、完全招待制の廃止。1カ月後程度には、既存ユーザーからの招待がなくても、ライブドアIDを持っていれば簡単に参加できるようにする計画だ。発行済みのライブドアIDは200万〜300万。「1年後には、フレンドパークユーザーを100万人くらいに増やしたい」(水波ディレクター)。

 ちなみに、フレンドパークという名前は同社の堀江貴文社長がつけたという。

「自分が飽きないSNSを作りたい」と話す水波ディレクターは弱冠21歳

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