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シンプル&高音質の“小さなBOSE”――「Wave Music System」レビュー(1/3 ページ)

» 2005年03月07日 13時06分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 フロントサラウンド特集の「FreeStyle」レビュー記事の冒頭でも書いたとおり、ボーズではプロフェッショナル分野からコンシューマ分野まで、幅広い製品を提供している。その中でも、最も個性的な製品が「WaveRadio/CD」ではなかろうか。

 通販カタログで見かけるような(というか、実際よく販売されていた)デザインで、いかにも米国家庭の寝室やホテルにマッチする雰囲気を醸し出しているオーディオ製品である。要はCDプレーヤー搭載のレシーバーだが、スピーカーまでも内蔵。しかも、このタイプでよく見られるおざなりなものではなく、本体内部に共鳴管をめぐらせた独自の「アコースティック・ウェーブガイド」により、音響のクオリティも追求している。

 この「WaveRadio/CD」の6年ぶりとなる後継モデルが、先日発表された「Wave Music System」だ。幅368×高さ106×奥行き219ミリ、3.9キロという本体は、外見では特に違いは感じられないが、その実は、機能に加えて内部の音響構造すら大きな進化を遂げている。

photo プラチナムホワイトのカラーリングとシンプルなボディであらゆる空間に溶け込む、ボーズのパーソナルオーディオ「Wave Music System」

 まず機能面では、オーディオCDだけではなく、MP3データを書き込んだCD-R/-RWの再生にも対応した。もちろん、音質面からすれば、通常のオーディオCDを聴くのにこしたことはないが、BGMとして流す場合や、寝室の再生でCD1枚では足りないという筆者のような寝つきの悪い人間には、数枚分のアルバムをCDチェンジの手間なしに聴けるMP3再生機能は実に有益だ。

 また、前述の「アコースティック・ウェーブガイド」は、容積を60%拡大した「デュアルウェーブガイド」へと進化した。本体内に折り重ねるように巡らせられた、全長66センチの共鳴管を2本収納している。これにより、重低音の出力性能がさらに向上したという(再生帯域が低域側へ1/2オクターブ拡大)。オーディオ回路には、高性能DSP採用デジタルアンプを搭載。従来のアナログ処理からデジタル処理へと変更されている。

photo 本体は独特の形状をしている。内部には、左および右へ全長66センチの共鳴管を巡らせた「デュアルウェーブガイド」を収納している

簡単セッティングで、すぐにBOSEサウンド

 当然ながら、セッティングは実に簡単。基本的には電源をつなげばいいだけだ。FMラジオを聴く場合にも、この電源ケーブルが簡易アンテナとして利用される。もちろん、最善の受信状況を確保したいならアンテナ(75Ω)端子へ接続したほうがいい。

photo 絶対に接続が必要なのは電源ケーブルのみ。電源ケーブルはFMアンテナの役割も果たしている
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