　オン・デマンド・ティービー（以下、オンデマンドTV）は、NTT東西地域会社の「Bフレッツ」ユーザーを対象とした映像配信サービス「オンデマンドTV」を3月9日から提供する。IPv6を利用したストリーミング型の映像配信サービス。専用のセットトップボックス（STB）を使い、自宅のテレビで好きな時間に多チャンネル放送とビデオ・オン・デマンドを楽しめる。

テレビに接続する専用セットトップボックス。ハードウェアの開発はバッファローが担当した。前面のUSBポートは将来のサービス拡張に備えたもので、ゲームパッドやキーボードの接続を想定している

背面にはコンポジットおよびD1出力、イーサネットを装備

　挨拶に立ったオン・デマンド・ティービーの梶原浩社長によると、同社のサービスには3つの特徴があるという。1つは、フレッツシリーズを利用することによる“ISPフリー”、2つ目はアイ・ビー・イー（IBE）が開発したFEC（フォワード・エラー・コレクション）技術だ。映像伝送に使用するUDPは、速度は速いものの信頼性に劣る。このため各パケットに誤り訂正信号を付加しておき、再生中にパケットロスが生じると、前後のデータから補完して画質の劣化を最小限に抑える。これにより、ストリーミング再生時の信頼性が向上したという。

　そして3つめが、「業界初の大規模な“見放題”プランの導入」（梶原氏）だ。「従来のVoDサービスは、タイトルごとに課金の手間が発生して使い勝手を損なっていた。今回の“みほうだいプラン”は、ジャンルを問わず、VoDタイトルを月額2100円で好きなだけ視聴できる」。

メニュー画面。ユーザーインタフェースは、スクウェア・エニックスが開発した（後述）

動画はMPEG-2の約4Mbps。ビデオのように「早送り／巻き戻し」「一時停止」も可能だ。購入後、48時間以内なら何度でも視聴できる。なお、みほうだいプランなら、視聴期間の制限はあまり関係ない

リモコンのイメージ

　VoDタイトルの調達は、同社の筆頭株主でもある伊藤忠商事が担当しており、国内外のアニメや音楽、ドラマなど幅広いジャンルを揃えた。また、ワーナーエンターティメントジャパンやソニー・ピクチャーズエンターテインメントとのライセンス契約により、「チャーリーズ・エンジェル」や「メン・イン・ブラック」などハリウッドメジャー作品も豊富にラインアップ。サービス開始当初は約1000本だが（タイトル一覧は同社サイトを参照）、2005年度中に約2800本、将来的には5500本まで拡充する計画だという。なお、動画はMPEG-2の約4Mbpsで、解像度はD1。「DVD画質といっていい」（同社）。

　一方の多チャンネル放送は、一足遅れて2005年4月に開始する予定。こちらは放送事業者のアイキャストが提供するもので、「シネフィル・イマジカ」「カミングスーンTV」など20チャンネルを揃える。基本的には、スカパー！のCSデジタル放送をセンター側で受信し、再送信する仕組みのため、画質はスカパー！と同じ。「スカパー！110」では一部ハイビジョン放送のチャンネルが存在するが、オンデマンドTVでも、2005年9月頃を目標としてH.264対応の新しいSTBを投入し、ハイビジョンによるVoDと多チャンネル放送を提供する計画だという。

多チャンネル放送の電子番組表（EPG）画面

　基本料金プランは4つ。VoDでは、前述の「みほうだいプラン」のほか、ライトユーザー向けに、月額577円で毎月2タイトルまで視聴できる「おてがるプラン」も用意した。また、多チャンネル放送だけで月額2000円の「多チャンネルプラン」、そして多チャンネル放送にVoDの「みほうだいプラン」を組み合わせた欲張りな「よくばりプラン」（月額3150円）がある。このほか、これらの基本プランに含まれない「プレミアムチャンネル」や「オプションビデオ」も月額105円から420円で提供する予定だ。

　サービスの申し込みは、オンデマンドTVのWebサイトもしくは電話で3月7日から受け付ける。なお、各プラン共通の初期費用として、5250円の加入料金と月額312円のセットトップボックスレンタル料が必要だ（キャンペーンあり）。STBは購入することも可能で、買い取り時の価格は1万5750円となる。決済手段にはクレジットカードもしくは口座振替。


基本プラン	概要	料金
おてがるプラン	VoD、毎月2本のビデオを視聴可能	577円
みほうだいプラン	VoD見放題（対象番組）	2100円
多チャンネルプラン	多チャンネル放送（20ch）のみ	2100円
よくばりプラン	多チャンネル放送＋VoD見放題	3150円