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子供はメディア「マルチタスキング」の達人?

» 2005年03月10日 19時47分 公開
[ITmedia]

 子供がコンピュータ、インターネット、ビデオゲームなどの「ニューメディア」に費やす時間は増えているが、TV、印刷物、音楽などの「オールドメディア」に費やす時間は減っていない――米非営利団体Kaiser Family Foundation(KFF)は3月9日にこのような調査結果を発表した。子供は同時に複数のメディアを利用する(TVを見ながらオンラインに接続するなど)時間が多く、増加するメディアコンテンツの時間を、毎日同じ時間に詰め込んでいると同団体は述べている。

 この調査では2000人以上の8〜18歳の子供を対象に、娯楽目的でのTV、ビデオ、音楽、ビデオゲーム、コンピュータ、映画、印刷物の利用を測定した。その結果、子供らが1日に接触するメディアコンテンツの合計時間が過去5年間で1時間以上増えたことが明らかになった(7時間29分から8時間33分への増加)。最も増えたのはビデオゲームとコンピュータへの接触時間だった。

 ただし、メディア利用に占める「メディアマルチタスキング」時間の割合が16%から26%に増えているため、実際のメディアの利用時間はおよそ6時間半と変わっていない。例えば回答者の28%が、頻繁に(10%)あるいは時々(18%)、TV番組を見ながら、オンラインでその番組に関連した作業を行うと答えている。

 さらに調査では、子供の寝室が「マルチメディアセンター」となりつつあることも明らかになった。自室にTVがある子供は68%、また半数(49%)は自室にビデオゲーム機を持っている。ビデオデッキまたはDVDプレーヤーを自室に持つ子供は36%から54%に増え、CATVまたは衛星放送は29%から37%、コンピュータは21%から31%、インターネットアクセスは10%から20%に増えた。

 自宅にコンピュータがある子供の割合は、5年前と比べて73%から86%に増加。自宅に2台以上のコンピュータがある子供は25%から39%に、インターネットアクセスを導入している割合は47%から74%に、毎日1時間以上オンラインに接続する子供は5%から22%に増えている。

 さらに、回答者の64%がインターネットからの音楽ダウンロードを、48%がネットラジオのストリーミングを、66%がIM利用を経験しているといったことから、KFFは、若年者は新技術をすぐに活用し、利用するメディアだけでなく、メディアの利用方法も変えるとの見方を述べている。

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