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Apple、Blu-ray Discを支持CeBIT 2005

» 2005年03月11日 03時59分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 次世代光ディスクの仕様検討・プロモーションを行う団体「Blu-ray Disc Association」(BDA)は、ドイツ・ハノーバで開催中のCeBIT 2005で3月10日(現地時間)に記者会見を行い、Apple Computerが幹事メンバーとしてBDAに加盟したと発表した。

 Appleは同社のコンピュータ製品へのBlu-ray Disc(BD)ドライブの搭載計画を表明したわけではないが、幹事メンバーとしてBD支持についたことでApple製品へのBDドライブ搭載の確度が高まったのは間違いない。

 AppleはBDA参加のステートメントにおいて「BDAに参加することで、コンシューマーユーザーへのHD(High Definition)映像の浸透を加速させたい」と述べており、さらに「コンシューマーは既にAppleのビデオ編集ソフトで、徐々にHD映像の編集を始めている。彼らが次に望むのは、高解像度のDVDを焼くことだ」と続けている。これは、かなり“積極的なコメント”と捉えていいだろう。

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 Appleは今後もHD映像へのコミットを強めていく予定で、QuickTimeの次期バージョン(QuickTime 7)で、H.264のHD対応を行う予定。QuickTime 7のリリースは、今年前半に発表される見込みの次期Mac OS X(Tiger)。

 記者会見の冒頭、米Sony Electronicsのビクター松田氏は「サンフランシスコのMacworld Expoに参加した方は?」と挙手を求めた。

photo 米Sony Electronicsのビクター松田氏

 既に1月に報道されている通り、Appleのスティーブ・ジョブズ氏はMac World Expoの基調講演で、iMovie HD、FinalCut Express HD、FinalCut Pro HDの3製品を紹介すると共にソニー社長の安藤国威氏を壇上に上げ、ソニー製のHDVカムコーダ「HDV-FX1」を紹介。AppleのHDビデオ編集などHD映像に関する取り組みに触れて、両社の関係の深さを印象づけていた。

photo Mac World Expoの基調講演でのAppleスティーブ・ジョブズ氏(左)とソニー安藤国威氏(右)

 松田氏は「Appleの参加は昨日聞いたばかり。予定に入っていたわけではない」と慎重に話すが、Mac World Expo基調講演に安藤氏が登場した事で、当時からAppleのBDA参加を予想する声は大きかった。今回の発表では、それが正式に確認されたことになる。

 放送のHD化の流れを考えれば、今後はプロフェッショナルの現場におけるHD映像編集のニーズが高まることは間違いない。また中期的なスパンでいえば、コンシューマーマーケットにおけるHD対応カムコーダーのニーズも高まっていくだろう。動画編集などクリエイティブな現場で使われることが多いApple製品だけに、今回のBD参加表明は、Hewlett-Packard(HP)やDellの存在と共に、カムコーダ/PC/レコーダーの連携を中心とした普及シナリオに現実味を持たせるかもしれない。

 またBDAは、Philips Electronics/ソニー/LG Electronics/Samsung Electronicsが、既にCD/DVD/BDの3メディア記録対応ピックアップを開発済みである事をアピール。ソニーとPhilipsは、3メディア書き込み可能なPC向けBDドライブを今回のCeBITで展示している。

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