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衝撃映像から修羅場まで――「リアリティTV」本格展開

» 2005年03月15日 21時08分 公開
[ITmedia]

 “事実は小説より奇なり”を地でいく専門チャンネル「リアリティTV」が国内で本格展開を始めた。2月から「スカパー!」で放送を開始しているが、今後はCATVへの番組提供も増やし、2005年末までに100万世帯の加入を目指す。

 リアリティTVは、英Zone Vision制作のドキュメンタリー専門チャンネルだ。現実に起きた事実をそのままカメラに収め、放送することをコンセプトに1999年に放送を開始。現在は世界125カ国、1億2000万世帯に配信している。日本では、2005年1月にジュピター・プログラミングとの折半出資で「リアリティジャパン」を設立し、2月から「スカパー!」の755チャンネルで放送を始めた。視聴料金は月額525円(個別契約)。「スカパー!ブルーパック」(月額3140円)などにも含まれている。

photo リアリティジャパン、セールス&マーケティング担当部長の岩崎壮一氏

 「最近は欧米のリアリティ番組を紹介する地上波プライムタイムの番組が高視聴率をマークしたり、深夜枠で放送された米国の番組が話題になるなど、国内でもリアリティ番組が広がりをみせている。オリジナリティ溢れるチャンネルコンセプトで加入者を増やしていきたい」(リアリティジャパン、セールス&マーケティング担当部長の岩崎壮一氏)。

 番組には、取材ドキュメンタリー、視聴者参加型の企画番組、カメラが偶然捉えた衝撃映像などのカテゴリがあり、いずれも“リアル”にこだわったものばかり。たとえば“世界一多忙で危険な警察署”といわれるニューヨーク市警の警察官に密着する「NYPD 密着!ニューヨーク市警24時」、消防士やレスキュー隊員の活躍を再現する「チャイルドレスキュー」「スーパーファイヤー」、医療現場に密着した「ドクターズ・ダイアリー」など、人にフォーカスしたドキュメンタリーを数多く放送している。

 もちろん、娯楽性の高い番組もある。たとえば「チーターズ vs 浮気調査官」(CHEATERS)は視聴者参加型の人気シリーズ。視聴者の依頼を受けた浮気調査官が、夫や妻、恋人の行動を追跡し、浮気の決定的な証拠を押さえたうえで、当事者同士が対決する。日本の番組でいえば、「ぷらちなロンドンブーツ」の「ガサ入れ」に近いが、「ちょっと違うのは、今のところ、100%“真っ黒”だということ」(岩崎氏)。ほぼ例外なく、修羅場に出くわすことになる。

photo リアリティTV、「チーターズ vs 浮気調査官」(CHEATERS)より。修羅場の経験がある人も、まだの人も楽しめる?

 このほか、ホームビデオや監視カメラが捉えた衝撃映像を集める「まる見えウラ発見」、不可能と思われることを実行してしまった人たちの驚愕映像「ギリギリ人間選手権」など、日本でも人気のあるジャンルをラインアップ。なお、番組はすべて字幕放送となっている。


 現在、スカパー!経由でリアリティTVを視聴しているのは約30万世帯と「まだまだ知名度は低い」が、今後はCATVに対する営業を強化し、またテレビを対象としたブロードバンド配信にも積極的に取り組むという。「2005年末までに衛星/ケーブルを合わせ100万加入、3年後には損益分岐点となる200万加入を目指したい」。なお、既に関西のCATV局「K-CAT」への番組提供が決定しているという。

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