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フットワークが軽くなるICレコーダー、オリンパス「Voice-Trek V-20」レビュー:ビジネスに使えるICレコーダー(1/2 ページ)

» 2005年03月18日 23時13分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 オリンパスイメージングが、3月18日に発売した「Voice-Trek V-20」は、同社として初めて“USB直挿し”に対応したステレオICレコーダーだ。「いつでも、どこでも、手軽に」をコンセプトにパソコンとの連携を強化しており、WMAを採用しているのもポイントだ。さっそく試用してみた。

photo オリンパスイメージングのICレコーダー「Voice-Trek V-20」。価格はオープンプライス

 「Voice-Trek V-20」は、実売価格で1万円台半ばとかなり低価格だ。ただし、単なるエントリーモデルではない。型番にある“V”の冠は、「Voice-Trek」シリーズの中で“新しいチャレンジ”をするときに使われるもの。初代機は1999年に登場した曲線フォルムの「V-90」、2代目は大きな指向性マイクを搭載した「V-10」で、今回の「V-20」は3代目にあたる。もちろん、今回のチャレンジはPCとの連携だろう。

 さて、以前の2製品が、良い意味で“斬新”、別の言い方をすると少々“奇抜”なデザインだったのに対して、V20はごく普通の薄型・スリムタイプだ。ブラックとシルバーのツートンカラーはシックな印象さえ受け、ビジネスユースにはマッチすると思われる。また、最近流行のメタリックな外装は“金属的で重そう”と感じる人も多いはず(実際にはアルミ外装を使って軽くなっているはずだけど……)。プラスチック然としたV20は、逆に新鮮味がある。

photo 上部にステレオマイクとイヤフォン端子、マイク端子を備えている。本体サイズは94(長さ)×40(幅)×15.1(厚さ)ミリ。重量は乾電池込みで約54グラム。ネックストラップで首からさげても、重みはほとんど感じない
photo メニューボタンを除き、基本的に1ボタンに1機能が割り当てられているため、わかりやすい。録音中にインデックスを入れるのもボタン一発

 もっとも、V20のデザインは、外観以上に中身が大切だ。レコーダー本体を“電池部”と“本体部”に分離できるセパレートデザインを採用しており、液晶画面のある本体部とシルバーの電池部を持って上下に引っ張ると、フルサイズのUSB端子が現れる仕組みだ。いくつかのノートPCと接続してみたが、USBポートが縦に配置されている機種でも問題なく使用できた。全体を薄型に仕上げているのは、最近の薄型ノートPCに接続するケースを考慮しているのだろう。

photo コーダー本体を“電池部”と“本体部”に分離できるセパレートデザインを採用している
photo 分離。USB端子が露出する

 パソコンのUSBポートに接続すると、本体はバスパワーによって動作する。このとき、液晶画面には「PC Link」の文字が。USBストレージクラスをサポートしているから、あとはUSBメモリと同様のファイル操作が可能だ。もちろん、オフィス文書なども保存して持ち歩くことができる。

photo 液晶画面には「PC Link」
photo 縦型のUSB端子でも大丈夫(写真はThinkPad S30)

 バッテリーは、単4乾電池×1本。充電式でないと「電池代がかさむ」と思われがちだが、バッテリーがなくなったときでも、コンビニなどで手軽に入手できるメリットがある。また、新しい音声信号処理プロセッサと録音処理プロセスの効率化により、従来製品より消費電力が約40%削減されているという。このため、単4乾電池1本で、モノラル録音モードなら連続13時間以上の録音が可能だ。

 1.5倍速の「早聞き再生」や0.75倍速の「遅聞き再生」機能、インデックスマーク記録機能、音声入力に反応して自動録音を開始する「音声起動録音」(VCVA録音)など、決して多機能とはいえないが、基本的な部分はしっかり抑えている。インデックスマークは本体前面のボタンを押すだけで、録音中のほか、本体再生時にも設定できる。操作もシンプルで、ほとんど1ボタンに1機能が割り当てられているから、迷うことはまずなさそうだ。

photo メニューボタンを除いて、単純に1ボタンに1機能が割り当てられている

パソコンでの再生は“割り切った仕様”

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