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「iTunes 4.7の暗号化技術を使った」――iTMSのDRM破り「PyMusique」新版

» 2005年03月24日 15時55分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Apple Computerと、iTunesを使わずにiTunes Music Storeで楽曲を購入できるソフトを開発している作者との熾烈な争いがエスカレートしている。3月21日Appleが、サードパーティ製ソフト「PyMusique」を使って楽曲購入ができないようにアップデートした翌日、作者はPyMusiqueを使ってiTMSでの楽曲購入ができるように変更した。

 PyMusiqueはAppleのiTunesを使わずにiTunes Music Storeで楽曲購入を可能にするソフトウェアで、WindowsとLinuxに対応する。このソフトを使うと、いったん購入した楽曲の再ダウンロードが可能(iTMSでは再ダウンロードはできない)で、Appleのデジタル著作権管理(DRM)技術であるFairPlayなしの楽曲ダウンロードが可能となる。このため、PyMusiqueでダウンロードした楽曲は、AACフォーマットを認識できるコンピュータや携帯音楽デバイスで再生することが可能だ。

 Appleは21日、iTunes Music Storeの仕様を変更し、iTunes 4.7を使ったユーザーしかiTMSを利用できないようにした。バージョン4.7からは以前と異なる暗号化技術を使っているため、この方法によるPyMusique遮断は成功した。Appleによれば、iTMS利用者の約15%がアップグレードを必要としているという。

 PyMusique作者の1人であるヨン・レヒ・ヨハンセン氏はMacCentralに対し、iTunes 4.7で用いられた暗号化技術をリバースエンジニアリングしたことを認めた。その変更は、ダウンロード可能となっているPyMusiqueの最新バージョンに反映されている。PyMusiqueはヨハンセン氏と、トラビス・ワトキンズ氏、コーディー・ブローシアス氏が共同で開発した。

 PyMusiqueはMac OS Xなど複数のプラットフォームで動作するインタープリタ型プログラミング言語のPythonで開発されている。PyMusiqueは現時点でソースコードとWindowsとLinuxのバイナリコードが用意されているが、ヨハンセン氏は、MacのプログラマーがこのソフトウェアをCocoaで書き直せばネイティブのMac OS X版も可能であると認めた。

 AppleとPyMusiqueは双方が技術的に相手を出し抜こうとしているが、AppleのiTunes Music Storeでは利用者に対し、利用者ポリシーを明確に定めている。

 使用許諾契約には「Appleが当該サービスにアクセスするために提供したソフトウェアではない手段により、当該サービスにアクセスしてはならない」と記載されている。

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