レビュー
2005/04/01 14:02 更新


動画も静止画もキレイな薄型Xacti「DMX-C5」 (3/4)


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動画はISO標準のMPEG-4を採用

 動画はISO標準のMPEG-4(シンプルプロファイル)を採用したのが特徴だ。

 映像トラックはMPEG-4でサイズやフレームレートは用途別のセットが用意されている。TV-SHQとTV-HQは640×480の30fps。両者の違いはビットレートで、TV-SHQは約3Mbps、TV-HQは約2Mbpsだ。SHQの方がもちろん高画質。その下はTV-Sの320×240の30fps、Web-HQの320×240の15fps、Web-Sの176×144(いわゆるQCIFFサイズ)の15fpsだ。Web用に使うときもブロードバンド対象で動きを重視したいならTV-Sを使うのがいいだろう。

 音声トラックはステレオのMPEG-4オーディオ(つまり、AAC)でサンプリングレートは48kHzとクオリティは非常に高い。多くのデジカメ動画機能はモノラルの16kHzレベルであり、格段の差だ。風の音を軽減させるウインドNR機能も持っている。ステレオマイクはディスプレイの裏側についており、撮影時はちゃんと正面を向き、なおかつズームのモーター音を拾いづらい位置となっている。

 肝心のファイル形式はMP4。ISO標準のMPEG-4に準拠した形式で、PC上ではQuickTimeなどMP4ファイルをサポートするアプリケーションで使うことができるし、Web上に置いてもQuickTimeのプラグインが入っていればブラウザで再生可能だ。

 MPEG-4をうたう動画カメラはいくつも出ているが、国際規格にちゃんと準拠した製品は少なく、C5はその基準した製品の1つである。

 動画のクオリティはさすがMPEG-4だけあって滑らか。確かにハイクオリティなMotion JPEGの方が1枚1枚がJPEGだけあってきれいだが、ファイルサイズが非常に大きくなる。

 C5ならTV-SHQモードでも1GBのSDメモリーカードに42分、TV-HQモードなら1時間10分の記録ができる。TV-Sにすれば2時間41分の記録が可能だ。クオリティと連続撮影時間のバランスを考えれば、今のところもっともよいと言っていいだろう。

 さらに、動画時専用の電子式手ブレ機能も搭載している。これはDVカメラでもよく使われている安価な方式で、CCDの一部のエリアを手ブレ補正用の予備に使うのである。つまりブレに応じて少しずつずらしながら約90%のエリアだけを記録し続けるのだ。その代わり、CCDのすべてを記録するわけじゃないので画角が少し狭くなる。

 今回から手ブレ補正には2つのパターンが用意された。1つはC4と同じで、手ブレ補正をオンにすると手ブレ修正後の画像がモニターに表示されるモード。これだと動画撮影時の画面をそのままモニタリングできるが、静止画撮影時は手ブレ補正が働かない=画角をフルに使うので、静止画シャッターを半押ししたとき急に画角が広がって違和感があった。もう1つはその逆。撮影前のプレビュー時にはフル画角で表示されて、その代わり動画撮影時の撮影範囲が枠線で表示されるようになったのだ。そして動画撮影中は画角が少し狭くなって動画用画角になるのである。

ak_lcd-finder.jpg

手ブレ補正モードBではディスプレイに動画撮影時の画角を示す枠が表示される。この枠は構図決定の助けにもなって便利。画面左上に静止画の、画面右上に動画のモードと残り撮影時間が表示される

 文章で書くとややこしいが、電子式手ブレ機能をオンにすると静止画撮影時と動画撮影時の画角の違いをフォローするのに、動画優先と静止画優先の2つのモードが用意されたということだ。

 電子式手ブレ補正は非常に便利。特に望遠時に大きな差が出るので、普段はオンにしておきたい。

 動画撮影時でももちろん光学ズームは効くし、露出補正やホワイトバランスといった静止画・動画共通の機能は普通に使うことが可能だ。動画撮影時にAFが働いて映像が一瞬ボケることがあるが、こういう不用意なボケを防ぐためにAFロック(十字レバーを上に入れる)を使うといい。ピントを固定して撮っても構わないときに非常に有効だ。

 C5がユニークなのは、動画撮影中でも静止画を撮れること。ただし、静止画側の設定がVGA以外の時はCCDのモード切替が働くので、動画の方が2秒ほど静止画になる。また、動画撮影時のフォーカスをそのまま使って静止画を撮るので、タイミングによっては静止画のピントがうまく合わないことがある。面白い機能だがよく考えて使いたい。

 なお、動画撮影時のISO感度は静止画時の2段上になる。上下左右画素混合という技術を使って動画を撮っているためで、画素混合分だけデータ量が増え、感度も上がるのだ。これは便利。ISO50が200相当になるのである。

 ただ動画時は静止画時のようにシャッタースピードを落とすことができないしもちろんストロボも使えないので、どうしても暗い室内では増感して対処することになる。また、ISO400にセットしてあれば動画時も増感して撮影される。増感して撮影された動画はかなりノイジーなので明るくない室内での撮影が多い人は注意したい。ここが残念な点だ。

昼間の撮影には静止画・動画ともにもってこいの健康的なアイテム

 製品にはレンズキャップやカメラケース、ネックストラップなど豊富な付属品と、ドッキングステーションやACアダプタなどが付属する。バッテリーは薄型のリチウムイオン充電池で、薄い分バッテリーの持ちはCIPA規格で113枚とさほど多くない。その代わり、ACアダプタはドッキングステーションを介して本体内のバッテリーを充電すると同時に、充電器として予備のバッテリーもセットできるようになっている。これは便利だ。

ak_battery.jpg

バッテリーは薄型の720mAhと、バッテリーの持ちより機動力を重視した設計。長時間利用するときは予備バッテリーを用意した方がいい。メディアはSDメモリーカードだ

ak_body_dock.jpg

ドッキングステーションを装着したC5。この状態で充電やデータ転送、リモコンを使った再生などが可能だ

 ドッキングステーションは充電の他にPCとのデータ転送やリモコンの受光部も持っている。ドッキングステーションをテレビにつなぎ、付属のリモコンで操作すれば撮影した動画をそのままテレビで気軽に見られるというわけだ。

 ドッキングステーションのおかげでメンテナンスは楽だし、必要なものは(SDメモリーカード以外は)揃っているのもいい。

 C5の総評だが、昼間持ち歩いて使うには最高のパートナーといえよう。

 起動は速いし、絵もコンパクト機としてはきれいだし、このサイズで5倍ズームというのは便利。静止画時は片手で撮るとブレやすいので(まあ片手で撮るとブレやすいのはどのデジカメも一緒だ)左手で液晶モニター部を支える必要があるが、普通の静止画用コンパクトデジカメとしてもいいし、必要なときはすぐ動画を撮れるのもいい。動画をメインに遊ぶときでも、必要に応じてさっと静止画を撮れる。散歩やスポーツの共にうってつけだ。新しいアイテムとして楽しめるだろう。

 逆に暗いところにはあまり強くないので、次は多少暗いところでも高画質で動画を撮れる製品を目指して欲しいと思う。

作例

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[荻窪圭,ITmedia]

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