連載
2005/04/01 17:27 更新

連載:次世代DVDへの飛躍
年内には立場をハッキリさせる――20世紀フォックス (1/5)

次世代DVDを巡る規格争いが続くなか、“中立の立場”を貫いている20世紀フォックス。BDAに加入して注目されたが、その目的もあくまで「自らの立場と考えを伝えるため」だ。同社が次世代DVDに求めるものは何か? また市場立ち上げ前に確認することとは?

 前回のインタビューからやや時間が空いてしまったが、次世代光ディスクビジネスに対するハリウッド映画スタジオのスタンスを引き続きレポートしていきたい。今回は、現時点では“中立の立場”を強調している20世紀フォックス(20th Century Fox Film)。同社は昨年、Blu-ray Disc Association(BDA)に真っ先に加入して注目されたが、その目的はあくまで“次世代光ディスクを用いたパッケージビジネスを見据え、自らの立場と考えを伝えるため”としてきた。そのスタンスは現時点でも変化していない。

 と、本題に進む前に、先週、ロイター配信のニュースにおいてソニーの中鉢氏がHD DVDとの統一規格について検討しているという報道が流れた件について触れておきたい(関連記事)。ソニー広報によると「これはApple ComputerのBDAへの参加など最近の情勢から“規格争いはそろそろ終わりにしてもいいのではないか。HD DVDを支持する側が、今からでも共にビジネスをするのであれば、われわれは迎える用意がある”という考えを伝えたところ、それが間違って報道されたものだ」とのコメントを得た。

 また、3月が目処とされた次世代光ディスク向けの著作権保護フレームワーク「AACS」は、結局3月中にはまとまらなかった。家電向けの枠組みは既に決まっているが、ネットワークやPCの扱いを巡り議論が続けられているようだ。関係者は4月中には決まる可能性が高いと話しているが、これで年内のプレーヤー発売は難しくなってきたかもしれない。

市場立ち上げの前に確認すべきことがある

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20世紀フォックス・ホームエンターテイメントの研究・技術戦略担当上席副社長、ダニー・ケイ氏

 20世紀フォックスの立場は非常に明快だ。映画業界以外の企業と条件のディールをやりあい、少しでも有利な条件を引きだそう、といった意図はほとんどみえない。その代わり、言いたいことはきちんと発言し、コンテンツを生み出す企業としての意見を反映して欲しいというスタンスだ。よって、特定の企業と結びついて、市場動向が定まらない内から一方の規格を推進するといった物事の進め方は行わない。

 「20世紀フォックスはBDを支持しているのか?」 との問いに、20世紀フォックス・ホームエンターテイメントの研究・技術戦略担当上席副社長ダニー・ケイ氏は、やや笑みを浮かべながら「われわれは今のところ、どちらも支持するつもりもありません。全くの中立です」と話した。

 ケイ氏は続ける。

 「BDAに参加した理由は、あらゆる規格に対してきちんと自分たちの考えを伝えようという意図があるからです。20世紀フォックスはDVD Forumに参加し、現在でもコピープロテクション作業部会などで積極的に活動していますから、HD DVDに対しては直接的に働きかけることも意見を出すこともできます。

 しかしBDに対して意見を出すには、BDAに参加しなければなりません。幸い、BD陣営はBDAという組織でオープンに討議する場を設けました。そこでわれわれはそこに参加する事を決めたわけです。主にコピープロテクションに関する意見を言うことが目的です」

――ということは、BDの持つHD DVDに対するアドバンテージを評価しての参加ではない、と考えていいのでしょうか?

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[本田雅一,ITmedia]

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