液晶を開いた部分に配置されたボタン類は、左手での操作が必要だ。カーソルは特に難はないが、その下に並ぶ「メニュー」「W.B/インフォ」(ホワイトバランス/情報表示)「場面切替/インデックス」という3つのボタンは、誤操作を防ぐためか、小さいうえにほとんど出っ張っていないので押しにくい。指先より、爪の先で押したほうがいいかもしれない。
マニュアル撮影時のフォーカスや明るさ調整には、前述のとおり、前方左側面のボタンとダイヤルを利用する。「フォーカス」「明るさ」ボタンを押せば、画面上にメーターや数字が表示されるので、ダイヤルを回して設定変更し、ダイヤル中央のSETボタンを押せばいい。「プログラムAE」も同様の操作なのだが、こちらはメニュー画面が表示されるので、ついカーソルのほうを押してしまいがち。しかし、それでは反応はしてくれない。
また、メニューを呼び出せるのは、再生モードとマニュアル撮影モードのみで、フルオート時はメニュー画面に入れない。フルオート撮影の設定値を変えるには、いったん「M」モードに切り替える必要がある。
再生時の操作は、特に凝った機能はなく、動画・静止画ともに拡大/縮小などは行えない。ズームレバーを操作すると、動画再生時は音量調整となる。また、静止画再生時にサムネイル一覧を呼び出すには、インデックスボタンを押す。
撮影した映像に関しては、以前にレビューを行った松下電器産業の3CCDカメラ「NV-GS250」のような濃厚な色づくりではなく、あくまでも自然な印象。もちろん、色再現や輪郭の描写はしっかりとしている。色味に関しては、従来のビクター製ビデオカメラと同様に、ほんの少しだけ青みを感じるがニュートラルという印象だ。特に際立った特色はないものの、満足の行くレベルといっていい。ただ、もう少しヌケがよければとも思う。
全体に見ると、3CCDを搭載しているとはいえ、この製品の魅力は画質よりも、むしろ、そのスタイルにあると感じた。立方体に近い形状の本体は、決して奇をてらったものではない。気軽に持ち運べるサイズを確保しつつ、快適な撮影をも実現している。
そうなると問題は価格かもしれない。この製品が市場に登場するのは5月下旬で、発売当初の実勢価格は10万円台前半となりそうだ。しかし、(3CCDカメラではないが)キヤノン「FV M30 KIT」やソニー「DCR-HC90」といった、コンパクトで実用性も十分なDVカメラの価格が、現在はかなりこなれてきている。ただ、店頭で実際に手にしてもらえば、個性豊かなこの製品をほしいと感じる人も結構いると思う。まずは、この新しいデザインに興味を持ってくれるかどうか。そこが鍵になりそうだ。
SDメモリーカードへの静止画撮影は、解像度は2560×1920、2048×1536、1600×1200、1280×960、640×480から、画質はファイン/スタンダードから選択可能。この画像は2560×1920/ファイン。色合いは比較的ナチュラルで、ほんの少しだけ青みがかかっている印象。
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