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快適に撮影できるサイコロボディ――3CCD DVカメラ「GR-X5」レビュー(3/3 ページ)

» 2005年04月25日 11時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 液晶を開いた部分に配置されたボタン類は、左手での操作が必要だ。カーソルは特に難はないが、その下に並ぶ「メニュー」「W.B/インフォ」(ホワイトバランス/情報表示)「場面切替/インデックス」という3つのボタンは、誤操作を防ぐためか、小さいうえにほとんど出っ張っていないので押しにくい。指先より、爪の先で押したほうがいいかもしれない。

photo 静止画再生中に「インフォ」ボタンを押すと、撮影データなどの情報表示のほか、ヒストグラム表示にも切り替えられる。大事な撮影などで、正常な明るさで撮れているかどうかを確認したい場合には便利

 マニュアル撮影時のフォーカスや明るさ調整には、前述のとおり、前方左側面のボタンとダイヤルを利用する。「フォーカス」「明るさ」ボタンを押せば、画面上にメーターや数字が表示されるので、ダイヤルを回して設定変更し、ダイヤル中央のSETボタンを押せばいい。「プログラムAE」も同様の操作なのだが、こちらはメニュー画面が表示されるので、ついカーソルのほうを押してしまいがち。しかし、それでは反応はしてくれない。

 また、メニューを呼び出せるのは、再生モードとマニュアル撮影モードのみで、フルオート時はメニュー画面に入れない。フルオート撮影の設定値を変えるには、いったん「M」モードに切り替える必要がある。

photo フルオート時の基本設定も設定メニューで行えるが、いったんマニュアル撮影モードに切り替えないと、フルオートではメニューの呼び出し自体できない

 再生時の操作は、特に凝った機能はなく、動画・静止画ともに拡大/縮小などは行えない。ズームレバーを操作すると、動画再生時は音量調整となる。また、静止画再生時にサムネイル一覧を呼び出すには、インデックスボタンを押す。

photo 静止画の再生モードでは、インデックスボタンを押せば、サムネイル一覧表示に切り替わる

 撮影した映像に関しては、以前にレビューを行った松下電器産業の3CCDカメラ「NV-GS250」のような濃厚な色づくりではなく、あくまでも自然な印象。もちろん、色再現や輪郭の描写はしっかりとしている。色味に関しては、従来のビクター製ビデオカメラと同様に、ほんの少しだけ青みを感じるがニュートラルという印象だ。特に際立った特色はないものの、満足の行くレベルといっていい。ただ、もう少しヌケがよければとも思う。

 全体に見ると、3CCDを搭載しているとはいえ、この製品の魅力は画質よりも、むしろ、そのスタイルにあると感じた。立方体に近い形状の本体は、決して奇をてらったものではない。気軽に持ち運べるサイズを確保しつつ、快適な撮影をも実現している。

 そうなると問題は価格かもしれない。この製品が市場に登場するのは5月下旬で、発売当初の実勢価格は10万円台前半となりそうだ。しかし、(3CCDカメラではないが)キヤノン「FV M30 KIT」やソニー「DCR-HC90」といった、コンパクトで実用性も十分なDVカメラの価格が、現在はかなりこなれてきている。ただ、店頭で実際に手にしてもらえば、個性豊かなこの製品をほしいと感じる人も結構いると思う。まずは、この新しいデザインに興味を持ってくれるかどうか。そこが鍵になりそうだ。

内蔵ビデオフラッシュを使用して静止画撮影を行ったサンプル画像

photo 日光下での撮影
photo 内蔵ビデオフラッシュを利用した撮影

屋外で静止画撮影を行ったサンプル画像

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 SDメモリーカードへの静止画撮影は、解像度は2560×1920、2048×1536、1600×1200、1280×960、640×480から、画質はファイン/スタンダードから選択可能。この画像は2560×1920/ファイン。色合いは比較的ナチュラルで、ほんの少しだけ青みがかかっている印象。

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