FinePix Z1の撮像素子には、1/2.5型有効512万画素のスーパーCCDハニカムV「HR」を採用する。サイズと画素数には違いがあるが、この撮像素子はFinePix F10と同じ第5世代のスーパーCCDハニカムである。CCDの光学層を薄膜化することで、光を効率よく取り込み、従来よりも基礎感度が高められている。そして、CCDから得られたデータに対して、新開発のダブルノイズリダクションを適用し、解像感を残しながら、ノイズの成分を最小限に抑えているという。
選択できる感度は、値が自動調整される「オート」のほか、ISO64、100、200、400、800の5段階だ。FinePix F10とは異なり、ISO1600は用意されない。これは、FinePix F10の1/1.7型有効630万画素に比較して、FinePix Z1の1/2.5型有効512万画素画素CCDは、ひとつひとつの画素のサイズが小さく、十分な感度が得られないためだろう。また両機のISO800の画像を見比べると、FinePix Z1のほうがノイズの量は多い。
とはいうものの、それでも従来までの他のデジカメよりは低ノイズだ。ノイズの量や解像感の低下をどこまで許容するかはユーザーによって異なるだろう。私のスナップ用途ではISO400は十分に実用域であり、シーンによってはISO800も利用したいと思う。
例えば、室内や夕方などでスナップを撮る場合、これまでの他のデジカメではシャッター速度が低くなりすぎて、手ブレや被写体ブレを避けられなかった。ストロボを発光すればブレないが、ストロボを使わずに自然な雰囲気で撮りたいこともある。また、遠くにある被写体には、そもそもストロボ光が届かない。そんな時に、ISO400や800の高感度モードが役立つ。
ただ実際には、被写体や用途に応じて、感度を切り替えながら撮るのは面倒である。私自身、こうした試用レポート以外のスナップ撮影では、感度やノイズのことなんて、ほとんど気にしない。本モデルでは、感度設定をオートにしておくと、その場の明るさに応じてISO64からISO640までの間で感度が自動的に決まるので、通常はオートを利用するのが手軽で便利だろう。
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