コラム
2005/05/10 23:35 更新


大画面で“プラズマより液晶”が選ばれている理由 (1/3)

最近の「液晶テレビ人気」は30インチ以上の大画面サイズにまで及び、“大画面はプラズマ”の図式が崩れ始めている。その理由は何なのだろう? 販売店が液晶テレビを勧めているワケは?

 昨年末まで市場で支配的だった「37インチ以上なら大画面フラットパネルはプラズマ」という図式が崩れ始めているという。

 オリンピック商戦で盛り上がった昨年中旬までは(大画面市場で)液晶テレビに対してシェアで圧倒していたプラズマテレビだが、昨年秋以降は液晶テレビが徐々に増え、今年になってからは32インチはもちろん、37インチクラスでもプラズマより液晶の方が売れている。

 その理由は何なのだろう?

 かつてテレビは画質の高さがアピールポイントの1つだった。また最近は、消費者は価格に対して非常に敏感になっている。だが、“液晶 vs プラズマ”の構図で見ると(単純には割り切れない部分もあるが)、画質や価格といった要素だけで液晶テレビが伸びているわけでもないようだ。

販売店が液晶テレビを勧めている理由

 このコラムを書こうと思ったきっかけは、知り合いの経済誌記者から「プラズマテレビが伸び悩んでいる。このままでは松下電器のプラズマ投資は大きな失敗に終わるのでは。販売店もさじを投げ始めている」と聞いたことがきっかけだ。

 もちろん、それ以前、今年に入ってからのプラズマテレビの苦戦は伝えられてきたことだが、その状況は確かにここに来て加速しているようにも見える。最大手の松下電器がプラズマテレビラインアップのモデルチェンジ前だった影響も若干あるだろうが、今年に入ってからはプラズマの牙城だった37インチクラスでも、液晶テレビを選ぶ顧客の方が多くなっている。液晶テレビの方が4万〜5万円ほど高いにもかかわらずだ。

 そこで実際にいくつかの量販店担当者に直接ヒアリングを行ってみたところ、ひとつのパターンが浮かび上がってきた。

 まず昨年まではあらかじめ商品をよく調べ、販売担当者と機種を相談しつつも、実際には頭の中である程度、欲しいテレビのタイプを固めてから購入する“勉強家タイプ”のユーザーが多かったようだが、今年になってからその割合は減り、ほとんどが自分の意見に自信が持てずに相談しながら購入する“背中を押して欲しいタイプ”の顧客が増えているのだ。

 こうした背景もあり、ほとんどの客は「今、液晶とプラズマではどちらが売れているんでしょう? 」と聞いてくるという。店員が液晶が売れていると答えると「なぜ液晶テレビの方が売れるの? 」という質問につながる。「液晶テレビの方が明るいからでしょう」と説明すると、たいていの客がやや高価でも液晶テレビを買っていく……というパターンだ。

 中には「映画や音楽のライブ放送などを落ち着いた照明環境で見るならプラズマの方がきれいですよ。液晶テレビは明るい昼間の部屋ならきれいですが……」と店員がキチンと説明する場合もあるようだ。しかし、店頭で見比べて「よくわからない」と客から言われることもあり、同じ36〜37インチならば安い方のプラズマを無理に勧めることはしていないという。

 簡単に言えば「液晶テレビの方が売りやすい」ということだ。液晶かプラズマかで迷う客を軒並み拾い、さらに液晶が売れているという事実が客の「液晶の方が正しい選択」という認識を強めることとなり、さらに液晶テレビのシェアを引き上げるというスパイラルに入っているというわけだ。

プラズマの復活はあるのか?

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[本田雅一,ITmedia]

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