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今度は国産パネル――“あの格安液晶テレビ”を見てみた特集:夏ボで狙いたい液晶テレビ(2/3 ページ)

» 2005年06月02日 19時22分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 PCとの接続はアナログRGBとなり、最大入力解像度は1280×720ピクセル。このため“ドット ツー ドット”にはならず、若干シャープさに欠ける表示になる。アナログRGBと、内蔵チューナーや外部入力との「P in P」「P side P」表示が可能な点は従来製品と共通だ。

photo PC入力時の解像度は最大1280×720ピクセル
photo アナログRGBと、内蔵チューナーや外部入力との「P in P」「P side P」表示が可能だ
photo ブラウザ画面のアップ。細かい文字もしっかり読める

 画質調整やノイズリダクション機能なども「d:2732DJ」に準ずると思って良い。悪い点も引きずっており、たとえばノイズリダクションは「中」「強」と強めの設定にするとはっきりとした残像が残り、動きの激しいスポーツ中継でなくても結構目立つ。「d:2732DJ」と同じ傾向だ。

 ちょうどプロ野球中継をやっていたので視聴してみたが、ノイズリダクション「強」「中」では、見ていてちょっと気になってしまった。ノイズリダクションは、必要を感じない限りはOFFでもいいし、自動に設定しておけば不快になるような動作をすることもないだろう。

 今回は、機材の都合でデジタル放送の視聴環境が準備できなかったため、高画質素材の再生はアイ・オー・データ機器の「AVeL LinkPlayer AVLP2/DVDG」を用い、D端子接続してのDVDビデオ再生、WindowsMediaVideoのHDサンプルの再生などを中心に行った。

 画質は標準設定である「ナチュラル」を中心に行っているが、発色は人の肌などで若干赤みが強いかな、と思える程度で、基本的にはナチュラル。好みに左右される部分は、画質調整で十分カバーできる印象だ。モノクロの映像や暗いシーンの多い映像も視聴してみたが、黒の沈み込みも悪くない。

 液晶の宿命か、部屋を真っ暗にして視聴すると、暗いシーンでもパネル上の黒とフレーム部分の黒との差ははっきり分かってしまうが、だからといって黒浮きしているという印象も受けない。画質をプリセットの「明るく」にしても変わらず、コントラスト比800:1は伊達ではないといえる。

 パネル解像度が1366×768ピクセルのため、720P出力でもドット ツー ドットにはならないのだが、720Pの映像(1280×720ピクセル)でも不自然なジャギーなどは気にならない。エンドロールのような小さな文字もくっきりと見え、残像も気にならなかった。

 たまたま東芝の最新モデルである「ちょっとタイム face」の同サイズ(26インチ)が手元にあったため並べて視聴してみたが、色合いに若干違いはあるものの、外部入力に関しては優劣は感じなかった。

 この2台を並べて比較すると、明らかに違うのが内蔵チューナーによる地上波アナログ放送だ。「d:2632GJ」の方が明らかに解像感が足りず、グラデーションも不足気味。放送によってはアナログビデオテープに録画したものを再生したような、のっぺりとした印象になり、表示を「4:3」にしても印象は変わらない。スケーラーの問題ではなく、チューナー出力の品質の問題のようだ。実際、DVDレコーダー(DMR-HS2)とS接続したときのほうが、地上波アナログ放送はずっと綺麗に見える。

 バイ・デザインの製品は、ヨドバシカメラやビックカメラといった大手量販店でも販売されているが、ほとんどの店頭では地上波アナログ放送を表示している。そのためか、インターネットの掲示板などでは「店頭で比較すると画質が悪い」という意見を見かけることもある。内蔵チューナーによるアナログ地上波放送を見ると、それも頷けるのだが、外部入力を用いた場合はかなり印象が変わる。店頭比較だけで判断するのは早いかもしれない。

 もちろん、内蔵チューナーの質が褒められたものではないのは事実だが、日常的な利用に耐えないというわけでもない。ただ、腰をすえてアナログ地上波放送を視聴したい場合には、DVDレコーダーなどのチューナーを利用したほうが良さそうだ。

デジタルチューナーが不要なら、やはり魅力の価格

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