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MPEG-4動画も楽しめる“全部入りプレーヤー”「iAUDIO X5」レビュー(4/4 ページ)

» 2005年06月03日 18時51分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 静止画については、HDD内に用意されている「PICTURE」フォルダへ楽曲ファイルと同様の手順でファイルを転送したのち、メインメニューで「PICTURE」を選択すれば見ることができる。JPEGのみしか表示できず、液晶の解像度(160×128ピクセル)にあわせたサイズにリサイズされてしまうが、画像の切り替えもスムーズでビューワーとしての利用は十分に実用レベルだ。手持ちのデジカメ画像を1600枚あまり転送してみたが、さすがに転送自体には少々時間がかかったが、表示の切換などでストレスを感じることはなかった。

photo 静止画についてはフォルダごとのサムネイル表示も可能

 USBホスト機能も搭載しているので、デジタルカメラを接続すれば直接データを本体のHDDに移動することができる。手持ちのカメラ(FZ-1)を接続したところ問題なく認識され、本体のHDDに撮影したデータをコピーすることができた。

photo デジタルカメラ(FZ-1)を接続。SDメモリカード内のデータをiAUDIO X5のHDDにコピーできる

 製品ページには対応製品の一覧が掲載されているので、USBホスト機能を使いたい場合には、事前に確認しておく方がいいだろう。

 動画についてはMPEG-4の再生が可能となっているが、手持ちのMPEG-4ファイルをドラッグ&ドロップでしても再生することはできず、付属ソフト「jetAudio」から起動できる「Convert Video」を使用し、再生可能な形式に変換することになる(「Convert Video」だけの起動も可能)。

photo jetAudio(上)とConvert Video

 対応するソースのフォーマットはmpg/avi/wmv/asfの4種類で、Convert Videoの設定を見てみると映像はXvid(160×110あるいは120)、音声はMP3(128kbps)のaviファイルとして変換・生成をするようだ。実際にwmvのファイルをConvert Videoで変換してみると、拡張子.aviのファイルが生成された。

photo Convert Videoが生成したファイルのプロパティ

 こうして生成したファイルを本製品の任意の場所(:\「MOVIE」など)に転送しておけば、音楽を楽しむのと同じ感覚で動画が楽しめる。

photo HDDに入っていたサンプル動画

 画面が1.8インチという昨今の携帯電話よりも小さめのサイズなので、迫力ある映像が楽しめるとは言えないが、コマ落ちもなく快適に視聴できる。液晶自体の特性なのか、ややフォーカスが甘い印象も受けるが、映画の字幕も問題なく識別できたので、通勤電車の中での視聴などには適しているといえるだろう。


 動画の再生できるポータブルプレーヤーといえば、これまでにもクリエイティブメディアの「Creative Zen Portable Media Center 20GB」(レビュー)やNEXXの「PMP-1200」(レビュー)があったが、3.5インチ程度の液晶を搭載した比較的大柄な製品が多く、“動画を見るぞっ!”という心構えが必要だった。

 本製品はあくまでもポータブルオーディオプレーヤーとしての機能を十分以上に備えながらも静止画/動画の再生に対応しており、“音楽も画像も動画も楽しめる、全部入りプレーヤー”としての資質を備えていると言える。

 それだけに、各所、特にソフトウェア面での作り込みが今ひとつに感じられるのが残念でならない。例を挙げるならば、音楽と動画については自分でフォルダの作成/管理をしなくてはならない点や(すべてルートに放り込むという方法もあるが……)、動画の変換ソフト「Convert Video」のインタフェースが日本語化されていない点、ファイル転送について(特に動画ファイル)マニュアルに記載が少ないところも気になる点だ。

 こうした点は、初めてデジタルプレーヤーを購入するユーザーからすれば、敷居が高く感じるところだろう。機能面では申し分ない上だけに、前述したようなツメの甘さえなければと感じてしまう。

 しかしこれらの欠点も、PCに関するスキルの高いユーザーならば自力で解決できるだろう。ポータブルプレーヤーとしての能力は高く、日々携帯するものとしての魅力(質感)も高いだけに、ファームウェアやマニュアルの改善を進めて欲しいと思う。

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