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2005/06/08 00:07 更新

インタビュー
東芝・藤井氏に聞く――次世代DVD統一交渉“決裂”の理由(後編) (2/3)


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 「そのような話はしていません。“マイクロソフトとの提携関係は今回の交渉には影響しません”と簡単に伝えましたが、それ以上は言及していません」

――統一が不可能との判断を行った理由として一番に挙げられていた法務リスクですが、前述の独禁法上の問題以外にも、LSIベンダーなど製造パートナーとの契約、東芝を信じて事業を展開してきた企業からの訴訟、これまで行ってきた0.6ミリ技術への投資に対する株主からの訴訟などが挙げられていました。

 「まず申し上げておきたいのですが、ハリウッド映画スタジオとの契約などはありません。彼らは自分の判断でHD DVDを選択しました。私がデジタルメディアネットワーク社を担当したばかりの中で強い自信を持てたのは、そうした映画スタジオの自主的な判断でHD DVDが選ばれたからです。独禁法以外の問題は、単純に一般論として挙げただけで、私の念頭にあったのは独禁法。これだけです」

――ソニー・松下は人的支援や特許ポートフォリオ作成時の配慮など、条件面ではかなり譲歩していたように見えました。ビジネス面の面では東芝にとってプラスの面も多かったのではないでしょうか。実際、独禁法の問題がなければ統一に合意していたのでしょうか?

 「独禁法の制約が仮になかったとすれば、私も提携交渉のプロ(藤井氏は東芝セミコンダクター社の副社長時代、アライアンスを担当。サンディスクやソニー/IBMとの提携などをまとめてきた)ですから、東芝だけが損をかぶる条件でなければディールした可能性はあります。しかし独禁法問題では、0.1ミリに妥協するわれわれだけが大きなリスクを背負う。これは統一の痛みを3社でシェアするという前提条件に合いません」

――統一交渉決裂の理由を、藤井さんなりにまとめていただけますか?

 「決裂したのかどうか? というと、今もって完全決裂とは思っていません。現時点で“物別れ”になっている理由も、観点によって異なる部分があり一言で話すのは難しいですね」

 「一番目の理由は、0.1ミリ構造が0.6ミリよりも優れていると納得できなかったこと。これが一番です。彼らはもっと0.1ミリでなければ不可能なアプリケーションを多数提案すべきでした」

 「次にディスクコスト。私も半導体業界で長くやってきたため、製造プロセスが時間とともに成熟し、いつかは歩留まり良く生産できるという事は承知しています。0.1ミリだから、この先ずっと高いコストになるとは思いません。しかし、それがどのタイミングで、どの程度の価格になるのか、きちんとした見通しが立っていない。ROMをもっとも多く生産するのはハリウッドの映画スタジオですから、彼らを納得させるだけの材料があるならば問題はないと思いましたが、合理的な理由は残念ながらありませんでした」

 「PC用の薄型ドライブもそうです。0.95ミリドライブをBDで作ることはできると話していましたが、われわが狙っているのは7ミリ台の超薄型ドライブをノートPCに搭載することです。球面収差補正が必須のBDでは、これを開発するのは不可能でしょう。そして振動に強い車載ドライブの件もあります。BD側は可能と話していましたが、きちんと技術的な背景も含めて議論する時間がなく、疑問を払拭できてはいません」

 「最後はハードディスク録画の位置付けがあります。東芝の場合、フラッシュと光ディスク、それにハードディスクを用途ごとに使い分けるポリシーを持っている。容量の増加ペースなどを考えれば、これから10〜15年はハードディスクが主役でしょう」

――今後、分裂のまま製品の発売に至った場合、どのようにHD DVD側がデファクトスタンダードとなるシナリオを描いているのでしょう?

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[本田雅一,ITmedia]

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