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P2Pと音楽販売減少の因果関係証明は困難――OECD報告書

» 2005年06月15日 08時27分 公開
[ITmedia]

 音楽業界の売り上げが減ったことと、P2Pとの因果関係を証明するのは困難だと、経済協力開発機構(OECD)が6月13日発表したデジタル音楽業界に関する報告書で指摘した。

 報告書によれば、OECD加盟国のインターネットユーザーのうち約3分の1が、P2Pネットワークからファイルをダウンロードしたことがあり、全P2Pネットワークを合わせた同時ユーザーの数は2004年10月で約1000万に達した。

 ファイル交換ソフトは原則的には革新的で有望な技術だとしながらも、音楽だけでなくビデオやソフトの不正コピーを作成しているP2Pユーザーも多いと報告書は解説。

 それでも、音楽業界の売り上げが1999年から2003年にかけて20%減ったことと、海賊版との因果関係を証明することは難しいと述べている。ただ、正規のオンラインコンテンツ市場の成功を妨げる要因になっている可能性はあると指摘した。

 オンライン音楽配信は今後数年で大きく成長する見通しで、業界ではビジネスモデルの再考を迫られ、政府は規制面の課題に直面するとOECDは予想。革新的なeビジネスモデルと新技術を犠牲にすることなく音楽を供給する側と利用者側の利益の均衡を図るポリシーが、特に知的財産権とデジタル権利管理保護などの分野で求められると指摘している。

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