HDDへ取り込んだ曲は、基本的にディスク単位で管理される。メニューはリスト表示形式で、「指定したモードによる分類」「ディスク」「曲(トラック)」という3階層の構造になる。モードは、フォルダ(自分で任意に作成し、録音時に指定可)、アーチスト、ジャンル、ランキング(アクセストップ50/アクセスボトム50/最近聴いた曲50)、お気に入りリストのいずれかが選べる。必ず3階層になるので、「ジャンル」→「アーチスト」→「アルバム」→「曲」という絞り込み方ができないのは残念だが、フォルダやお気に入りも積極的に利用すれば、まあ特に困らない。
再生音質に関しては、圧縮時のビットレートが最大132Kbpsという点には不安を感じ、またハードに関しても、価格を考慮すれば期待は持てないかなと思っていたのだが、製品トータルで見ると、意外にバランスがいい。高音・低音の伸びや豊かさも、抜群とは言わないが、なかなかのものだ。
圧縮の品質に関しては、ATRAC3の音質が気にいらなければPCMを選択すればいいのだが、HDDが40Gバイトしかないこともあり(それでもPCM録音でCD60枚くらいは入るが)、この製品で聴くかぎりはATRAC3/132Kbpsでいいと思う。多少、混入ノイズ類が強調される印象はあるが、前述のとおり、全体で考えて十分に楽しめる音質だと思う。仮にギャップレス再生がPCM記録時のみとなれば、迷うことなくPCMを選択するが、ATRAC3でもギャップレス再生が可能なので問題はない。
また、「NAS-A10」では従来のVAIO Media対応に加え、DLNA準拠製品にも接続可能となり、そのサーバ内の音楽ファイルを再生できるようになった。今回はPCに「DiXiM Media Server」をインストールして試してみたが、特に問題はなく、MP3やWMAを再生できた。
HDD内のファイルは、PCを使わず「NAS-A10」のUSB端子に直接接続したストレージへバックアップできるほか、USBやメモリースティックを経由して、PSP携帯音楽プレーヤー(ATRAC3対応製品に限るが)への音楽データ転送も可能だ。
DLNA対応ではあるものの、この製品の場合は、PCと連携したいユーザーにはあまり向かないと感じる。むしろ、ATRAC3形式での保存でかまわないので、音楽はPCでは管理せず、この製品にすべて任せたいという人に最適だろう。
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