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2005/06/28 12:12 更新

インタビュー
デジタルでも“リアリティのある音”――音質マイスターが語る理想のサウンド (2/3)


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iPodはいい音だが、“オーディオ”の領域には立ち入っていない

――ポータブルHDDオーディオの先駆者であるiPodについては、どう思われますか。

 「iPodはすごくいい音だと思いますし、“音”について苦労して作っているな、とも感じました。ただ、“オーディオ”の領域には立ち入っていないようにも思うのです。オーディオとして考える場合には音場であるとか、ノイズ感といったものを追求する必要があるのですが、そのあたりが……」

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ポータブルHDDオーディオの先駆者、iPod(右)とHD20GA7

――iPodはヘッドフォンをかえるとガラリと音が変わる場合もあるようですが。

 iPodの場合、付属のヘッドフォンを前提にチューニングされているのです。ヘッドフォンに使われている振動板も柔らかめで、組み合わせて使うことでマイルドな感じを出しています。ですから、社外品と交換すると、音がきつく感じることもあると思います。

 HD20GA7の場合、ヘッドフォンの振動板が固めでレンジを広く取ってあります。いろいろな先生方にも確認してもらいましたが、(本体がレンジの広いヘッドフォンにあわせてチューニングされているので)社外品のヘッドフォンと交換しても、そのヘッドフォンのよさを引き出すことができると思います。

――“いい音”のため、SRSなどのデジタルエフェクトを積極的に搭載するメーカーもあります。

 「デジタルエフェクトを搭載することも良いアプローチだと思いますが、ケンウッドとしては“オーディオ製品としてのいい音”を追求したいのです。ホームオーディオのKシリーズも、発売する前は“機能も少ないし、売れないよ”と言われましたが、“いい音”を追求した結果、好評価を得ました」

 「マーケットでピュアオーディオ製品が見直されているように、いい音が評価される時期に来ているのだと思います。デジタルエフェクトも良いのですが、あくまでも基本となるのは“いい音”を出すこと。基本となる骨格の部分を作り出す仕事を、しっかりとしていかないといけないのです」

――HD20GA7を送り出すにあたって、「ケンウッドらしい音」とする以外に、音質面で意識したところはあるのでしょうか。若年層のユーザーが多そうだから、ポップやロックに適した音質にするなど、マーケティング的な側面は音質に反映されているのでしょうか。

 「特に意識はしていないですね(笑)。誰がどんなソースを聞いても満足してもらえる、そうした感覚を持つように意識していますので、そうしたニュアンスは現れているかもしれません」

 「物作りという行為の宿命かもしれませんが、どんなにがんばっても80点や85点と評価される品物を作るのが精一杯です。足りないところがあるようにも見えますが、実は85点の品物こそがチャンピオンなのです」

 「100点を目指して物作りをするとしますよね? そうすると、どこかで尖った部分が出てきます。90点から100点の領域になると、分からない人を排除するような部分を含まなくてはならなくなります。そうした世界も存在しますが、私は80点、85点を狙う製品を作っていきたいと思っています」

 「普段から真空管の音を聞いている人が、HD20GA7の音を聞いてなんと言うかはちょっと自信がありませんが(笑)、ヘッドフォンを含めてひとつの世界として完成させていますから、ミニコンやちょっとしたシステムよりいい音を聴かせる自信があります。音場空間というか、平面ではない空間を再現できていると思います。それは音を聞く喜びであり、ひとつのエクスタシーなんですね」

ウォークマンは和風、iPodは洋風

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[渡邊宏,ITmedia]

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