ITmedia NEWS >

SDカードに音楽をためられるミニコンポ――松下「SC-PM710SD」レビュー:ストレージ搭載オーディオ特集(3/4 ページ)

» 2005年07月04日 14時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 あとの操作は至極簡単で、単に本体の「HI-SPEED AUTO REC CD・SD」ボタンを1つだけ押せばいい。最初にガチャガチャとトレイを切り替えつつ、すべてのCDの内容を確認し、もし、記録容量が足りなければ、アラートを表示してくれる。問題なければ、そのままにしておけば、5枚のCDを順に録音してくれる。

 録音したのはRy Cooderのファーストアルバムから5枚目「CHICKEN SKIN MUSIC」まで。と、そんなことはどうでもいいだろうが、各アルバムの収録時間は30分30秒、37分46秒、39分8秒、37分23秒、40分で、合計約184分だ。これをLPモードでSDカードへ録音した場合、約49分の時間がかかった。

 問題は曲名などの入力である。この製品にはネットワークへ接続して、CDDBを引く機能などはないので、手で入力しなければならない。いわゆる携帯電話方式の入力で、使える文字は、アルファベットとカタカナおよび記号のみとなる。漢字やひらがなが使えないのはあきらめるとして、手入力はなるべく避けたいところ。

photo リモコンの数字キーには「ア」〜「ワ」が割り当てられており、携帯電話方式での文字入力が可能

 そこで、この製品ではいちおうの救済策が用意されている。それは携帯電話との赤外線通信だ。ナノ・メディアが提供しているタイトるアプリが利用可能。対象はNTTドコモの端末に限られ、しかも、「TVnanoパーフェクト」(月額210円)への加入が必要と、何か不自由にも思えるが、この製品を購入するのはPCを持たない人が多いだろうから、妥当な方策なのかもしれない。

 ほかの方法ではなんとかならないかと、頭を捻ってみる。ふーむ、HighMATディスクを経由させるのはどうだろう。まずPCのWindows Media Player上で、音楽CDを1枚(または複数枚)取り込み、タイトル情報などを付加したうえで、HighMAT規格のCD-RWとして書き込む。PCを使ううえ、かなり回りくどい方法となり、実用的ではないか……。しかも、冒頭で書いたとおり、単なる再生→録音(アナログコピー)になってしまうので、曲名などの情報はSDへ渡してくれそうにない。

 それでも「ものは試し」と、HighMATディスクを作成してみる。で、「SC-PM710SD」へ挿入。普通のCDでも認識に数秒はかかるのだが、HighMATのマウントには数十秒がかかるようだ。結果としては、SDへの録音の際にも曲名などは継承してくれた。しかし、そもそもの問題として、この製品ではアルファベットとカタカナしか表示できない。Windows Media Player上でアルバム情報を取得した場合、日本人アーティストの曲であれば、漢字が入っているものも多いだろう。その部分は空白として表示されてしまう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.