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兄貴譲りの高機能、けど超ミニサイズ――iRiver「H10Jr.」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年07月08日 19時17分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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美しい画像を映し出すフォトビューワ――レスポンスは改善の余地あり

 本製品は音楽再生以外にも、録音可能なFMラジオとボイスレコーディング、フォト/テキストビューワの機能を備えている。

 FMラジオを使うには、メインメニューから「FM RADIO」を選択した後に「早送り」「早戻し」でチューニングするだけ。録音するには「○」を長押しすればよい。録音中は画面が切り替わり、経過時間と録音可能時間が表示される。録音はMP3形式で行われ、本体メモリ内の「\My Recordings\Tuner」のディレクトリに生成される。

 ビットレートは低音質/標準/高音質(64/128/256Kbps)の3種類から選択できる。さすがにラジオの録音に256Kbpsはオーバーかと思われるので、64Kbps(低音質)ないし128Kbps(標準)で問題ないだろう。ボイスレコーディングは、内蔵マイクとライン、いずれからの入力にも対応する。音質についてはいずれもラジオ録音と同じ3段階に調節が可能だ。

 フォト/テキストビューワで表示できるのはJPEGとTXT形式のファイル。iTunesとiPod Photoを組み合わせたときのように、iriver plus2から画像やテキストを自動的に転送する仕組みは用意されておらず、それぞれ本体メモリの所定フォルダ(\Pictureと\Text)へ、ドラッグ&ドロップでファイルを転送してやる必要がある。

photo 画像表示のクオリティはなかなか

 画像表示のクオリティはなかなかのもの。画面サイズが小さいので迫力には欠けるが、液晶の輝度が高いためか、かなり鮮明に画像を表示してくれる。早送り/早戻しキーで写真の送り/戻しを行い、再生キーを押せばスライドショーが開始される。

 ただ、表示の切り替えにはやや時間がかかり、1Mバイト未満のファイルしか転送していなくても、切り替えごとに3秒ほど待たされた。テキストビューワのフォントは見やすく、1画面に全角13文字×9行の表示が行えるため、意外なほど“使える”印象だ。ちなみに、フォト/テキストビューワは音楽を聴きながらでも利用できる。

photo テキストビューワもなかなか使える

小型ボディ+カラー液晶に魅力を感じるならば“買い”

 ここまでに紹介した機能のほか、内蔵時計を利用したアラームやFMの予約録音なども備えており、なかなか便利だ。音質に関しても、プリセット/カスタマイズ可能なイコライザとSRS WOWも備えており、細かなところまでセッティングできる。

photo パッケージも凝っている。こうした気遣いはうれしい

 ライブラリソフトのiriver plus2も、H10に付属していたバージョン(iriver plus)から比べると、細かな点まで使い勝手を向上させる改良が施されており、オーディオプレーヤーとしての完成度はかなり高いパッケージだと感じた。

 ネックとなるのは価格だろうか。iriver e・storeでの直販価格は512Mバイト版が1万9980円、1Gバイト版が2万4980円で、低価格化の進むフラッシュメモリプレーヤーとしては割高な部類に入ってしまう。

 しかし、カラー液晶を備えたフラッシュメモリプレーヤーはそう多くないので、「小型軽量ボディ+カラー液晶」に魅力を感じる人にとっては、十分検討に値するプロダクトだといえる。

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