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“癒し”のモダンデザイン――オムロン「ピーィス」特集:魅惑のデザイン家電(1/2 ページ)

» 2005年07月20日 06時51分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 デザインありきで作られる家電というのは、ときとして機能や操作性を犠牲にするものだ。フォームファクターが最初から決まっていると、入らない部分が削ぎ落とされてしまい、結果として利用者にも“割り切り”を求める。しかし、中にはその制限を逆手に取り、低価格化とデザイン性を両立させた製品も存在する。

 オムロンヘルスケアのマッサージチェア「ピーィス」(HM-603/604)は、多機能機化が進むマッサージチェア市場にあって、モダンなインテリアに違和感なく溶け込める数少ない製品の1つ。決して多機能ではないが“ツボを抑えた”マッサージ機能を持ち、また10万円を下回る価格も魅力だ。同社健康商品事業部の太田弘行マネージャーと、設計を担当した三木章利主査に話を聞いた。

photo 「HM-603」はホワイト、ベージュ、オレンジの3色。別売のフットマッサージャー「HM-281」も同色を用意している
photo 木目調ボディにブラックのパッドを組み合わせた“ピーィスクラシック”こと「HM-604」。店頭価格は、HM-603より2〜3万円高い

「低価格」から「デザイン」へ

 現在は「ピーィス」と「ピーィス スタイル」(HM-411)を合わせて3製品をラインアップしている同社だが、マッサージチェアに本格参入したのは2002年に登場した初代「ピーィス」(HM-601)が最初だ。それまでも座椅子型マッサージ椅子などを手がけていたが、実際にはOEMが中心だったという。

photo 「HM-601/603」の設計を担当した三木章利主査

 三木氏は、「われわれは後発ですから、どういったポジションで展開するか、当時は社内でも随分議論になりました」と振り返る。「松下電工やファミリーなど競合他社が販売しているものは、いわば按摩専用の“ロボット”で、価格も高い。同じことをやっても仕方がないでしょう」。

 市場調査を繰り返し、辿り着いたのは低価格モデル。現在ほどではないが、当時も他社は20万円から30万円という高級機種に傾倒しており、本格的な製品と、その下にある製品の間には大きな価格差があった。一方、一般ユーザーが求めていたのは、基本機能がしっかりしていて、かつ価格が安いものだった。

 そこで同社は、一般ユーザーが「買ってもいい」とした10万円をターゲットプライスに設定し、HM-601を開発する。「pisu」(ピーィス)という商品名も「Price」(プライス:価格)をもじったもの。最初のコンセプトが“低価格”であったことが伺える。

photo 実はITmedia社内の休憩スペースにもある「HM-601」。お世話になってます

 2002年夏に登場したHM-601は、コンパクトなサイズと価格の安さなどで人気を博した。しかしデザイン的には、「他社と同じ方向性で、まだちょっと荒っぽい印象でした。デザイン指向なのか、そうではないのか、微妙な位置付けだったんです」と太田氏。

photo オムロンヘルスケア、健康商品事業部の太田弘行マネージャー

 価格や機能はユーザーにも好評だったが、他社と差別化するポイントはさらに明確にしたい。次の製品では、「よりスマートで、リビングルームに置いても“暑苦しくないもの”を目指そう」と決めたという。「つまり、HM-603/604、そしてHM-411(ピィース スタイル)は、当初からデザイン家電として企画したものといえます」。

ユニット構造を一から見直し

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