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明るく色味の優れたDLP機が安価に――日本TIがDLP新製品/新技術(1/2 ページ)

» 2005年07月26日 16時45分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 日本テキサス・インスツルメンツは7月26日、0.65インチDMDを使ったDLPチップセット「DLP.65」と、色再現性向上技術「BrilliantColor(ブリリアントカラー)テクノロジー」を発表。同日、同社による新製品/新技術の説明が行われた。

 今回の2つの新しいソリューションは、今年6月に米国ラスベガスで行われた「InfoComm 2005 」で発表されたものだ。

photo DLPチップセット「DLP.65」

 新DLPチップセット「DLP.65」は、WXGA(1280×768ピクセル)という高解像度を0.65インチという普及サイズで実現。製造にDarkChip2のプロセス技術を採用し、コントラストの改善などを施している。

 「ハイエンド向けデータプロジェクターや、ホームシアター向け720p対応プロジェクターなどへの応用が期待できる。今まで使っていた0.7インチデバイスのオプティカルシャーシを流用できるので、各メーカーの開発費およびエンジンコスト削減にも大きく貢献できるだろう」(同社DLP事業部技術統括部長の大原一浩氏)

 一方「BrilliantColor」は、DLPシステムの明るさと色味を改善する新技術だ。

 通常、1チップのDLPシステムは、RGBのカラーホイールを回して時分割で表示することで色を表現してる。BrilliantColorは、はこの3原色にイエロー/マゼンタ/シアンといった色(補色)を加えるというカラーホイールによるメカニカルな処理と、画像処理チップ「DDP3020」のデジタル信号処理の組み合わせによって、輝度アップと色再現性の向上を図っているという。

photo 従来のRGBにイエロー/マゼンタ/シアンといった色(補色)を加える
photo カラーホイールとデジタル信号処理の組み合わせで輝度と色再現性を向上
photo 右がBrilliantColor処理ON。DLPが苦手な黄色の改善がみられる

 「今まで、DLPの課題とされていた中間域の輝度不足が、このBrilliantColorによって従来比50%の輝度向上がみられるほか、カラーホイールのメカニカル処理部分で柔軟性を持たせることで、明るさにふったり色再現性を徹底的に追求するといった、メーカーそれぞれが独自製品を作りやすくなっている」(大原氏)

photo 輝度が50%向上し、中間域の輝度不足を解消
photo 映画のシーンでは、暗い部分での色調や緑色の部分が改善されている。右がBrilliantColor処理ON
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