ITmedia NEWS >

総合バランスに秀でた“進化し続けるDVカメラ”――キヤノン「IXY DV M5」レビュー(1/3 ページ)

» 2005年08月02日 18時54分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 HDVカメラで記録される情報量には圧倒されるものがあるが、もちろん、ビデオカメラはそれがすべてというわけではない。

 ハイビジョン対応テレビを接続しての単体での再生、あるいは、PCへの取り込みなどはせず、現行DVDを初めとするSD解像度での保存を前提とするのであれば、カメラ自体の性能で勝負できる可能性は大いに残されている。

 しかも、すでに成熟しきったかに思えたDVカメラにも、まだまだ進化の余地は残されているようだ。キヤノンではデジタルビデオカメラの新製品として、IXYシリーズの名を冠したDVカメラ2機種、および、DVDビデオカメラ1機種を投入する。今回紹介するのは、4メガピクセルでの静止画撮影機能を搭載した「IXY DV M5」だ。

photo 非常に洗練された印象を与える「IXY DV M5」。従来のタテ型DVカメラ“IXY DV”と比較すると、凹凸が大幅に排除された

 この製品は、総画素数約429万の1/2.8インチCCD(有効画素数はテープ記録時で約350万、カード記録時で約400万)を搭載しながら、本体サイズが51(幅)×101(高さ)×102(奥行き)ミリ、撮影時質量が約475グラムと、かなりコンパクトに収まっている。

 このサイズと重さは、ソニーのDVカメラ「DCR-HC90」(総画素数331万画素)に近い(あるいは、それ以下の)レベルである。ただし、同時に発表された「IXY DV S1」は、約220万画素の1/3.9インチCCD搭載ながら、54(幅)×73(高さ)×105(奥行き)ミリ、撮影時質量435グラムと、さらに軽量・コンパクトを実現している。

 操作ボタン類は、本体のあちこちへ分けて配置されている。液晶モニターを開いた部分には主に再生に利用するもの、電源スイッチの下には主に撮影時に利用するファンクションやフォーカスなど、モードダイアルの周囲にはメニュー、ライト、オーディオレベルといったボタンがある。

photo 右側面には、前にズームレバー、フォトボタン、テープ/カード切換スイッチが並び、人差し指〜薬指を使って操作を行える。後ろには撮影モード切換ダイアル、メニューボタンなどを配置

 グリップベルトに手を入れてカメラを構えた状態では、電源スイッチの下に並んだボタン以外に指を伸ばすことは難しいため、メインメニューを頻繁に呼び出したい人は困るかもしれない。ただ、画質効果やホワイトバランスなどの、撮影時に必要な設定変更はファンクションメニューのほうにあり、メインメニューのほうは初期設定といえるものばかりなので、特に問題ではないだろう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.