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太平の眠りを覚ます宇宙船? キヤノンDVDビデオカメラ「DC20」レビュー(1/4 ページ)

» 2005年08月09日 03時43分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 画質にこだわったデジタルビデオカメラを発売してきたキヤノンが、いよいよDVDビデオカメラをリリースする。それも“まずは1台投入して様子見”などというレベルではなく、いきなり本気モードでの参入だ。

 HDビデオカメラの登場で積極的な動きを止めたかと思えるほど静かだったDV/DVDビデオカメラ市場だが、7月28日に発表されたDVDビデオカメラ「DC20」は、同時に発表されたIXY DV新製品とともに、停滞気味だった同市場に活を入れてくれるに違いない。

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 記録メディアには8センチDVD-R/-RWを採用。XPモード(約9Mbps)で片面約20分、SPモード(約6Mbps)で片面約30分、LPモード(約3Mbps)で片面約60分のビデオ撮影が可能というのは、ほかの多くのDVDビデオカメラ製品と同様だ。CCD(1/3.9型)の総画素数が約220万という点も、特に高スペックとはいえないだろう。静止画撮影時の最大解像度は1632×1224ピクセルで、数字上は現在の家庭用ビデオカメラでは平均的なレベルにとどまる。

 では、どこが本気なのか? それはこの製品を手にしたら、すぐに理解できる。

 これまでDVDビデオカメラは、どれも同じような本体サイズで、デザインも似たり寄ったりのレベルにとどまっていた。しかし、「DC20」では48(幅)×86(高さ)×122(奥行き)ミリと、直径8センチのメディアを利用するには、極限に近いコンパクトさを実現している。さらに、デザインも魅力的だ。

photo さまざまな工夫を盛り込み、DVDビデオカメラとしてはかなり小型・軽量になったキヤノン初のDVDビデオカメラ「DC20」。従来の平均的なDVDカメラ製品と比較すると、数値では幅・高さ・奥行きとも約1センチ前後ずつ小さくなった程度だが、見た目ではそれ以上に違う印象を受ける
photo 本体の高さは86ミリなので、8センチDVDを収納するにはギリギリの大きさだ。DVDドライブのカバーは、不安を感じるほどの薄さでもないが、動作中はやはり手に振動が伝わってくる

 アルミ素材を随所に使い、円形のDVD収納部から前方へと絞り込まれた形状、そして、後方に所狭しと並べられたボタンの突起や端子/スロット類のカバーは、宇宙船を想起させるデザイン。凝視していると、ハン・ソロ船長のミレニアム・ファルコン号にも見えてくる……。

Millennium Falcon この角度から眺めると、まさしくミレニアム・ファルコン号。……と勝手に思い込んでいるだけだが、キヤノンのDC20/DC10製品紹介ページのFlashムービーでも、ビュンと飛んでいったりするので、少しは意識しているのかもしれない(後付けにせよ)
フォースと共にあらんことを…… レトロな宇宙船を思わせるボタン類の突起。しかも、“フォース”とか書いてあるし……、いや“フォーカス”だった
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