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液晶を大型化したプロ向けデジ一眼「EOS-1D Mark II N」

» 2005年08月23日 18時32分 公開
[ITmedia]

 キヤノンは8月23日、プロ向けデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D Mark II N」を9月下旬より販売すると発表した。市場想定価格は50万円前後。

photo EOS-1D Mark II N

 新製品は2004年1月に発表された「EOS-1D Mark II」の後継となる機種で、28.7×19.1ミリ(APS-Hサイズ)/有効820万画素のCMOSセンサーや映像処理エンジン「DIGIC II」などはそのままに、液晶画面の大型化やEOS 5Dに搭載された「ピクチャースタイル」の導入などが行われており、使い勝手が向上している。

photo EOS-1D Mark II N(背面)

 液晶画面はEOS-1D Mark IIの2型から2.5型へと大型化された。大型化することによって、メニュー画面の文字も大きくなり、視認性が向上している。撮影情報の表示量も増加しており、従来の撮影情報(INFO.)に加えて撮影画像のファイルサイズ表示や、モノクロ設定時のB/W表示やRGBヒストグラム設定時にはR/G/Bの文字表示も行われる。

 縦位置で撮影した画像を自動認識し、表示を切り替える「縦横自動回転表示」機能を持つほか(手動で回転させることも可能)、EOS-1D Mark IIと同じく拡大位置/拡大率を固定したままでの画像切り替えも行える。視野角は上下左右ともに170度で、拡大再生時に使用する内蔵メモリの容量が増やされ、表示画質も向上したという。

photo EOS-1D Mark IIの2型から2.5型へと大型化された液晶

 EOS 5Dにも搭載されているピクチャースタイルは、シャープネスやコントラスト、彩度などがプリセットされたもので、EOS 20DやEOS Kiss Digital Nなどに搭載されている「環境パラメーター」を統合したもの。本製品では「スタンダード」「ポートレート」「風景」「ニュートラル」「忠実設定」「モノクロ」という6つのプリセットスタイルのほか、「ユーザー設定」を利用すれば好みのスタイル/設定を3件まで保存できる。スタイルについては同社Webサイト、あるいはオンラインフォトサービス「CANON iMAGE GATEWAY」からのダウンロード提供も行われる。

 EOS-1D Mark IIからの強化として連続撮影可能枚数の増加が挙げられる。速度そのものは毎秒約8.5枚と変わらないが、連続撮影可能枚数はJPEG 約40枚/RAW 約20枚から約48枚/約22枚へと高速化された(JPEGは画質8/ラージ)。RAW+JPEG同時記録設定時には、コンパクトフラッシュ/SDメモリーカードの各スロットに対して「コンパクトフラッシュにはRAW画像、SDメモリーカードにはJPEG画像」という振り分け同時記録(逆も可能)が行えるようになったほか、新規フォルダの自動作成、SDメモリーカードの物理フォーマットも可能となった。

 そのほか、ISO感度の設定がファインダー内にも表示されるようになり、素早いセッティングが行えるようになった。「長時間露光のノイズ低減」機能については、オン/オフに加えて、カメラ側が自動的にノイズレベルを検知し、機能のオン/オフを行う「自動」の項目が追加された。

 レンズマウントはEFマウントで、AFフレームを45点配置した「45点エリアAF」や21分割測光TTL開放測光、約0.72倍のペンタプリズムなどの仕様はEOS-1D Mark IIと共通。サイズは156(幅)×157.6(高さ)×79.9(奥行き)ミリ、約1225グラム(本体のみ)。パッケージにはRAW処理ソフト「Digital Photo Professional 2.0」や閲覧ソフト「ZoomBrowser EX 5.5/ImageBrowser 5.5」などが付属する。

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