現在発売しているニコンの望遠ズームレンズの中で、サイズが最も小さく、重量が最も軽いのが「AF-S DXズームニッコールED55〜200mm F4〜5.6G」である。APS-Cフィルムサイズの撮像素子を持つ、同社のデジタル一眼レフ機専用のレンズであり、35ミリフィルムに換算して、82.5ミリから300ミリ相当の焦点距離をカバーする。
単体での発売のほか、標準ズーム「AF-S DXズームニッコールED18〜55mm F3.5〜5.6G」と併せ、エントリー向けデジタル一眼レフ機「D50」のダブルズームキットとしても発売している。この2本を使えば焦点距離18〜200ミリ(35ミリ換算で27〜300ミリ相当)に対応する。D50と標準ズームを買った人には、次に揃える2本目のレンズにうってつけだ。
といってもD50ユーザーだけのためのレンズではない。外装がやや頼りない樹脂製であることや、フォーカスリングの幅が狭く、距離指標がないなど、見た目には典型的な廉価版ズームである。しかし、D50よりも上のクラスのデジカメにも当然装着できるし、使うメリットは大きいはずだ。
このレンズ以外で、小型軽量な望遠ズームとしては「Ai AFズームニッコールED70〜300mm F4〜5.6D」や「AFズームニッコール70〜300mm F4〜5.6G」がある。ただし、これらはフィルムカメラが主流の時代に発売されたレンズだ。デジタル一眼レフ機で使う場合には、焦点距離が少々長すぎるきらいがある。より望遠で撮影したい人には向くかもしれないが、望遠になればなるほど手ブレ対策がシビアになることを覚悟したほうがいい。
また、大口径の望遠ズームとしては、「AF-S VRズームニッコールED70〜200mm F2.8G(IF)」や「Ai AFズームニッコールED80〜200mm F2.8D」などがある。これらは開放F値が明るいので比較的速いシャッター速度を使えるし、前者には手ブレ補正機構もある。しかし、どちらも実売10万円以上と高価な上に、重量が1キログラム以上と重いのがネックだ。手ブレの危険性が少なく、画質に優れることは確かだが、予算と体力がありあまる人以外は手を出しにくい。
こうして考えると、手軽さを優先した望遠ズームとしては、「AF-S DXズームニッコールED55〜200mm F4〜5.6G」が最有力候補として残る。その操作性や画質はどうなのか、とりあえず使ってみることにしよう。
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