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フルHDもVoDもこれ一台――東芝の新「beautiful face」

» 2005年09月28日 16時53分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東芝は9月28日、フルHD対応のISP方式液晶パネルを搭載したデジタルテレビ“beautiful face”「Z1000シリーズ」を発表した。高解像度化に伴い、高画質回路は「メタブレイン・プロ」に進化。さらにDLNAガイドライン対応(予定)やVoDサービス「4th Media」のSTB機能など、画質とネットワーク機能の両面を大きく進歩させた。

phtoo 右から47V型/42V型/37V型/32V型。黒を基調としたフレームのシンプルな「トップカットフォルム」と呼ばれるスタイル

 ラインアップは、47V型/42V型/37V型/32V型の4モデル。このうち「まだフルHDパネルが存在しない」32V型を除き、3モデルが1920×1080ピクセル解像度のフルHDパネルを搭載した。IPS方式パネルの採用により、視野角は上下左右178度を実現。応答速度8ミリ秒、輝度は500カンデラというスペックだ。

型番 47Z1000 42Z1000 37Z1000 32Z1000
画面サイズ 47型 42型 37型 32型
画面解像度 1920×1080ピクセル 1366×768ピクセル
チューナー 地上デジタル、BSデジタル、CS110度、アナログ地上波
入力端子 HDMI×1、D4×1、S端子×2、コンポジット×4、HDMIアナログ音声入力、i.Link×2、デジタル放送録画出力(S1、コンポジット)、光デジタル音声出力、LAN×3
外形寸法(※1) 113.4×10.8×74センチ 104.4×10.8×70.7センチ 91.5×10.6×61.7センチ 79.4×9.9×54.8センチ
実売価格(※2) 70万円前後 57万円前後 47万円前後 37万円前後
発売日 11月中旬 10月中旬
※1:幅×奥行き×高さ、単位はセンチ
※2:価格はオープンプライス

 外観は、薄いフレームにスピーカーが組み込まれたスリットだけのスリムデザイン。「デザインはミニマムでいい。そのほかは“ノイズ”だ」(東芝テレビ事業部TV商品企画部商品企画担当プロダクトマネジャーの本村裕史氏)という考えのもと、あくまでシンプルに仕上げた。

 それに一役買ったのが、オンキヨーと共同開発した「ジェットスリット・スピーカー」だ。強力な磁石を使い、約1.5センチという狭いスリットから外部に音を放出するというもので、「開口部部が小さく、デザインをすっきりさせることができた」という。

photo ジェットスリット・スピーカー

 デジタルチューナーは2つ搭載。画面を中央で分割して2番組を同時に表示したり、後述のネットワーク機能を使って“テレビ番組+Web”を同時に表示したりすることもできる。もちろん、i.Link接続した「Rec Pot」やLAN接続のHDDに裏番組を録画することも可能だ。

 メタブレイン・プロは、「本来は、2006年に投入するSEDに搭載するつもりで2年かけて開発してきたデジタル新頭脳だ。今回の新製品は、それを先取りする形で搭載した」(本村氏)。

photo メタブレイン・プロの基板。高速なDDR2メモリを採用したのも特長だ

 メタブレイン・プロの基板には、ホストCPUとなる64bitのRISCコアのほか、画像処理専用コア、音声処理専用コア、フルHD映像処理システムなどを統合した大きなLSIが2つある。さらに、新開発のネットワークモジュールでも専用の64bit CPUが動作。DLNAガイドライン対応(予定)のホームネットワーク機能や4th Mediaクライアント機能もここで処理するという。なお、4th Media用のIPv6専用LAN端子を設けたため、LAN端子は3つになった。

 メタブレイン・プロの役割は、まず画質面のブラッシュアップ。たとえば、「魔方陣アルゴリズム」は12bit処理へと拡張し、RGB各色を4096階調表現が可能になった(従来は1024階調)。また、入力された映像信号を画素の明るさなど7種のヒストグラムで解析し、最大256点の変曲点を持つガンマカーブ(補正パターン)で1シーンごとにきめの細かい階調コントロールを可能にする「新ヒストグラムダイナミックガンマ」、映像の暗い部分の明るさや面積を検出してバックライトを制御する「ヒストグラムバックライトコントロール」、色の濃さや色合いに“明るさ”を含めた3要素でカラーコントロールを行い“鮮やかさ”を増す「カラーイメージコントロール・プロ」といった機能を持っている。さらに、MPEG-2 TS信号特有のモスキートノイズやブロックノイズを検出し、除去する新開発のノイズリダクションも用意した。

STBなしでストリーミングビデオ

 「beautiful face」シリーズは、従来モデルからLAN HDDへのハイビジョン録画やDLNAガイドライン対応などネットワーク機能を積極的に拡張してきたが、今回は新たに、ぷららネットワークスが提供するストリーミング放送&VoDサービス「4th Media」のクライアント機能を内蔵した。

 4th Mediaは、NTT東西地域会社のFTTHサービス「Bフレッツ」を対象とした放送&VoD(ビデオ・オン・デマンド)サービス。MTVやディズニーチャンネルなど約50の専門チャンネルと、映画など約4500タイトルのVoD、約7500曲のカラオケなどを家にいながらレンタルビデオ感覚で楽しめる。ストリーミング動画は4MbpsのMPEG-2で、すべてSD画質だが、一時停止や早送り/早戻しなどの特殊再生も可能だ。なお、加入する場合は、Bフレッツのほか、IPv6(NTT西日本は標準)、対応ISPへの加入などが必要になる(詳細は過去記事を参照)。

photo リモコン。「4th Media」専用ボタンも付いた
photo 4th Mediaの画面

 ホームネットワーク機能は、DLNAが制定した「Home Networked Device Interoperability Guidelines v1.0」のデジタルメディアプレーヤー(クライアント)になるというもの。PCなどのサーバに保存してある映像(MPEG2、音声はリニアPCM、AC3、MPEG1レイヤー2)や静止画(JPEG)をネットワーク経由で視聴できる。サーバには、同社のPCやDVDレコーダー「RD-X6」のほか、DLNA対応のソフトを導入したPCや他社製の家電製品とも接続できる。

 このほか、WebブラウザやEメール受信機能、テレビ側のEPGからRDシリーズの録画予約が行える「テレビ de ナビ」機能なども搭載。本体のUSB端子にUSBメモリなどを接続し、JPEG画像を再生する機能も備えている。

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