ボタン類は小さめだが、見た目以上に押しやすかった。ボタンが押されたかどうかは指先でなんとなく分かるので、強く押す必要はない。このくらいのサイズだと、爪で押さないと反応しにくいものもあるが、COOLPIX Sシリーズのボタンは指先で押すことも可能だ。
電源スイッチはボタンを0.5秒ほど押し続けることでOn/Offするタイプ。偶然見つけたシャッターチャンスにさっと取り出して撮影するとき、電源を入れたつもりでOnになっていなかったということがあるので、個人的にはあまり好きではないが、このタイプとしては一般的な操作感である。
撮影時のストロボやマクロ切り替えは、「マルチセレクター」と呼ばれる十字キーで行える。
露出補正はメニュー内から行うが、ショートカットキーなどの設定があるとよかったかもしれない。このクラスを購入するユーザーは露出補正などをほとんど使わないことや、露出補正なしでも適正な露出で撮影できるという自身があるからショートカットキーなどは設定されていないのだろう。たしかに露出補正なしでもたいていのシチュエーションで、想像通りの露出で撮影される。少し画角をずらしてAEロックして撮影することでほぼ希望通りの露出で撮影できるので、それほど大きな問題ではない。
撮影モード切替は本体背面の「モードセレクター」で行う。通常撮影、シーンモード、動画撮影を切り替えることができる。スライドスイッチ式なので、切り替えやすかった。
画像再生は、再生ボタンを押すことで再生モードに移行する。マルチセレクターの左右で次の画像、前の画像を切り替える。ボタンを押し続けると何枚目かを表示しているかの数字が変化し、ボタンを離すとその画像にジャンプして再生される。再生したい画像を探すときに便利な機能だ。
画像の削除は再生時に、削除ボタンを押すか、メニューの中から削除を選ぶ。1枚ごとや全画像削除などもここから行う。便利なのは撮影直後に失敗が気づき、直前の画像を削除したいときだ。撮影中でも削除ボタンを押すと直前に撮影された画像が表示され、削除できるのだ。
前述のように、オート撮影でも幅広い状況で適正な露出で撮影できる。さらにCOOLPIX S3では、人物をきれいに撮影できるという「フェイスクリア機能」を装備している。これは「顔認識AF」と「アドバンスト赤目軽減」「D-ライティング」という3つの機能の総称だ。人物の顔を自動認識してそこにピント合わせるのが顔認識AF、ストロボの赤目軽減発光に加え、赤目にしてしまった場合にカメラで赤目の画像を修正するのがアドバンスト赤目軽減だ。そして、被写体が暗く写ってしまった場合に明るく補正できるのがD-ライティングである。
逆光でもある程度自動的に露出補正されるため、露出補正したり、ストロボを使うといった必要はあまりない。しかし、もし被写体がアンダーになってしまった場合は、暗い部分だけを明るく補正するD-ライティング機能で補正可能だ。露出補正機能で明るくすると画像全体が明るくなるのに対し、D-ライティングでは暗い部分だけを明るくするという違いがある。逆光で撮影すると青い空は白く飛んでしまうこともあるが、D-ライティングなら空を青いまま撮影できる。
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