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プレゼン作業のすべてを“スピーディ”に──カシオ CASSIOPEIA PRO「XJ-560」

» 2005年10月01日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 Gショックや電卓、携帯電話、電子辞書から、小型液晶テレビまで、カシオでは液晶デバイスを活用した多種多様な製品を世に送り出している。しかし、プロジェクターに関しては、やや他社に遅れをとり、2003年末にようやく「CASSIOPEIA PRO(カシオペアプロ)」ブランドで参入を果たす。しかも、液晶ではなくDLPTM方式を採用して、スタートを切ったのはかなり意外だった。

 ただ、後発とはいえ、液晶を主に扱ってきたメーカーだからこそ分かる“液晶の弱点”を製品作りやプロモーションに生かし、また、他製品で培った教育市場における信頼性を足がかりに、このモバイルプロジェクター分野でも徐々にシェアを拡大しつつあるようだ。

 現在発売しているのは、B5ファイルサイズの「XJ-560」(57万5400円)、「XJ-460」(47万400円)、A5ファイルサイズの「XJ-360」(36万5400円)という3製品のラインアップ。いずれも1024×768ピクセル(XGA)の0.7型DMDを採用しており、携帯性に優れた小型サイズと、明るい部屋でも利用できる高輝度を実現している。

photo データプロジェクター「CASSIOPEIA PRO」シリーズ。現在はB5ファイルサイズの「XJ-560」(下)、「XJ-460」(左上)、A5ファイルサイズの「XJ-360」(右上)という3製品をラインアップ

 また、非球面レンズと低分散ガラスによる独自設計の広角ズームレンズを、全モデルで採用したのも大きな利点といえるだろう。これにより光学2倍ズームでの短焦点投写が可能となり、最短で0.8メートル、60型画面であれば1.6〜3.2メートル、100型画面であれば2.7〜5.3メートルという投影距離を実現。設置の自由度は非常に高くなっている。

 カシオでは、DLPTM方式プロジェクターの優位性を「高輝度」「小型化」「利便性」と捉えている。明るい環境のままで使え、容易に持ち運んでどこへでも設置が可能なDLPTMプロジェクターは、まさに学校などでの使用に最適というわけだ。さらに、スクリーンがなくても、十分に視認可能な映像を提供できるという利点もある。また、色再現性、特に赤の階調表現に優れ、経年による色劣化もほとんどないDLPTM方式は、医療分野での評判も高いという。患部の画像を表示する際などに、高い色の忠実度が要求されるためだ。

 もちろん、「CASSIOPEIA PRO」シリーズは教育や医療分野だけを対象としているわけではない。ビジネスプレゼンテーションの現場からのフィードバックを得て、「XJ-560」「XJ-460」へ搭載されたのが、ダイレクトパワーオフ機能である。

 プロジェクターでは高輝度ランプを利用するため、使用中はもちろん、終了後も一定時間(製品によっては数分間にも及ぶ)にわたり、冷却ファンを回転する必要があり、その間に電源コードを抜いてしまうと、十分に冷却されず、結果としてランプの寿命を縮めてしまう。「XJ-560」「XJ-460」では冷却ファン用のバッテリーを内蔵するとともに、冷却に必要な時間も30秒程度に短縮。使い終わったら即座に電源コードを抜き、片付け作業に入れる。クライアントを訪問してプレゼンテーションを行う場合などには、実に有用な機能といえるだろう。

 現行ラインアップの中で最上位機種となる「XJ-560」は、幅278×高さ64×奥行き214ミリ、質量約2.7キロという小型軽量ボディながら、独自設計のコンデンサーレンズやACR(Acornic Reflector=非球面形状リフレクタ)を注ぎ込んだことで、3000ルーメンの明るさと、最大で2000:1(テレ時)のコントラスト比を提供している(「XJ-460」は2500ルーメン、「XJ-360」は2200ルーメン。コントラスト比はともに同じ)。

photo 現行ラインアップの中で最上位機種となる「XJ-560」

 前述のとおり、広角ズームレンズの採用により、投影距離における自由度は高い。さらに、上下左右とも30度という広範囲での台形(キーストン)補正を行えるため、スクリーンに対して斜めに置かざるをえないようなケースでも十分に対応可能だ。しかも、補正はフルオートで実行してくれる。これに加えて、縦補正がオートというのは珍しくないが、横補正もフォーカスも全てオートというのは簡単だ。

 リモコン、あるいは本体の「AF/AK」ボタンを押すと、まず焦点(フォーカス)が自動的に調整され、次に画面上に白黒の縦縞、そして横縞のチャートを順に表示。これを基準として本体内のセンサーが読み取り、台形補正を行っているわけだ。当然ながら、焦点合わせ、および、台形補正は手動で調整してもいい。

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 本体は縁や角がすべて丸みを帯びたラウンドフォルムになっているものの、一見しただけではさほど特徴はないようにも思える。しかし、レンズカバーを装備していたり、背面にサブキー・パネルが隠されていたりと、細かい配慮も盛り込まれている。

 使用時には、適当な場所に本体を設置して、レンズカバーをプッシュして開き、本体上面のシンプルキー・パネルにある電源ボタンを押せばいい。あとは、同じくシンプルキー内の「AF/AK」ボタンを押すだけで自動補正が実行される。

 シンプルキーには、ほかに「ZOOM+/−」、「AUTO」(PC入力時に垂直/水平位置、周波数、位相を自動調整)、「INPUT」(入力信号切替)が、また、背面のサブキーには、メニュー操作に必要なカーソルキーや「FOCUS」「KEYSTONE」などのマニュアル設定用ボタンが並んでいる。もちろん、操作はリモコンでも可能。付属リモコンにはレーザーポインタが内蔵されているほか、PCとプロジェクターをUSB接続しておけば、カーソルと「ENTER」「ESC」ボタンを使って、マウス代わりにPCの操作を行える。

 入力は、PC入力(アナログRGB・ミニDsub15ピン)、S-Video、コンポジットと基本的な端子は揃っているので、特に困らないだろう。また、PC入力は別売のケーブルにより、コンポーネント映像入力としても利用可能だ。

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 映像については、デフォルトではカラーモードが「プレゼンテーション」に設定されているため、色や輪郭がかなり強調されたものとなる。カラーモードはほかに「スタンダード」(正確な色表現を重視)、「グラフィックス」(写真を自然に見せる)、「シアター」(映画の暗い部分を明瞭に)、「黒板」(黒板投影時に見やすいよう色を補正)が用意されている。

 この製品には、「スピーディ」という形容詞が最もふさわしい。適当な場所にさっと置いて、即座に自動補正を実行。プレゼンテーションが終われば、ダイレクトパワーオフ機能のおかげで、すぐに片付けられ、次の場所へと移動できる。

 また、カシオでは同社の他分野製品と「CASSIOPEIA PRO」を連携させ、幅広い展開を試みていきたい姿勢だという。すでに、プロジェクター(およびPC)と組み合わせて、書画台に置いた印刷物や立体物をOHPのように映し出すマルチプロジェクションカメラ「YC-400」も、「CASSIOPEIA PRO」ブランドの周辺機器として発売済みだ。対象物のスキャンを行うカメラ部には、当然ながらカシオのデジタルカメラ技術が生かされている。

photo CASSIOPEIA PROと連携して活用できるマルチプロジェクションカメラ「YC-400」

 また、現時点では不可能だが、電子辞書をプロジェクターへ接続するという使い方も、教育現場では需要があるかもしれない。“お風呂TV”を発売するなど、思いも寄らぬアプローチを得意とするカシオだけに、今後の展開には大いに期待したい。

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提供:カシオ計算機株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年11月30日