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あの屋外巡回監視ロボット「セコムロボットX」レンタル開始(2/2 ページ)

» 2005年10月06日 19時52分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 通常の巡回監視では、セコムロボットXは路面に敷設した磁気ガイドラインを辿って移動する。カメラやセンサーが侵入者を検知すると、内蔵の無線LANを使って管制室に通知。ライトを赤く点滅させ、音声で威嚇する。侵入者が逃げたりした場合は、管制室からのリモートコントロールで“追跡”開始だ。

photo 管理画面。管理センター設備はレンタル料金に含まれるが、巡回監視の場合はガイドライン敷設工事や無線LAN設備工事などの費用が別途発生する。金額は巡回ルート500メートルの場合で450万円程度だ
photo 怪しい集団を発見! ライトを点滅させながら、「誰だ! 何をしている」(定型音声ファイルの声)

 試作機が発表された時に話題になった発煙装置は、正式にオプション設定された。これは、爆音と同時に煙を大量に噴出させて侵入者を威嚇するというもの。このほか、火災検知用のセンサーや自動消火装置も搭載できる(オプション)。「発煙装置は、ホームセキュリティシステムでも既に使われており、人体に害はない。月額1000円弱で追加できる」という。

photo 発煙装置のデモンストレーション。前面左右にある丸い開口部から大量の煙を噴出する。発煙時に火薬を使用しているため、まず爆音で驚き、煙の量でまた驚かされる

 いわゆる“立哨”の機能もある。たとえば駐車場の入り口や施設の門にロボットを常駐させておき、来訪者や出入りする車をチェック。センサーで人間の進行方向を認識できるため、来訪者に対しては「いらっしゃいませ」、退出者には「お気を付けて、お帰りください」などと声をかける。あらかじめ設定しておけば、車のナンバーや入退者の画像をセンター側で撮影・記録しておくことも可能だ。

photo 車のナンバーを記録中
photo 工事現場など危険な場所を想定した立哨の例。人が近づくと赤いライトを点滅させながら、「工事中です。危険です。近寄らないで下さい」などと声をかける。逆に野次馬が増えそうな気もするが、それは別の問題……

 セコム開発センター長の森下秀生氏は、「近年、広大な敷地を持つ工場や学校、集合住宅などで不法侵入を監視するニーズが急速に高まっている。しかし、常駐警備員では多くの人員が必要になり、固定監視カメラでは監視しきれない部分も多い」と指摘する。「広い敷地内を俊敏に走行し、確実に監視できるロボットは、効率的で高い防犯効果を発揮できる。月額30万円という料金は、警備員を雇って24時間監視するよりも低コストだ。常駐セキュリティの新しい流れを作りたい」(同氏)。

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