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スイバル+10倍ズームはデジカメの楽しさ――ニコン「COOLPIX S4」レビュー(1/5 ページ)

» 2005年10月12日 09時24分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ニコンから登場した「COOLPIX S4」は、独特のスイバルデザインを採用した久々のデジカメだ。このタイプのデジカメでは、2003年の「COOLPIX SQ」以来、約2年ぶりだ。

 レンズ部分が回転するため、デジカメらしい、自由な構図での撮影が可能で、まだレンズ回転機構が一般的だった2000年ごろに登場したCOOLPIX 950/990などは、独特のデザインによる使い勝手の良さなどが人気だった。

 今回登場したS4は、伝統的なスイバルデザインを採用。カラーはシルバーで、最近の薄型デザインのデジカメとは一線を画す大振りなデザインだが、それでも光学10倍ズームを搭載しているとは思えないコンパクトサイズを実現している。

 早速、久しぶりに登場したスイバルデザインで注目されるS4をレビューしてみよう。

photo 2年ぶりのスイバルデザインが復活。コンパクトで高倍率を実現したCOOLPIX S4

フラット、コンパクトで10倍ズーム

 S4のデザインは、同社の数あるスイバルデザイン採用機の中でも、COOLPIX 990などに近いもの。ここ最近はスクエアタイプやインナースイバルタイプといった別路線のデザインだっただけに、いっそう「久々」というイメージがある。

 スイバルデザインは、ボディの厚みの割に、レンズ部分が回転するため大型のレンズを搭載できるメリットがある。コニカミノルタのDiMAGE Xシリーズなども、レンズの厚みではなく高さ方向にレンズを搭載する方法で、薄型ながら光学3倍ズームを実現したが、S4はさらに大型のレンズを搭載、光学10倍ズームに対応した。

photo フラットなデザイン。決して薄型ではないが、それでも光学10倍ズーム機としてはコンパクト

 レンズ部を回転させることにより、自由なアングルで撮影できるのも大きな特徴で、これにより群衆の頭上を越えての撮影やウエストレベルでの撮影、地面すれすれの撮影、といった撮影がより簡単に行える。個人的に、スイバルやバリアングル液晶などは、構図の自由度が増すデジカメならではの機能なので好感度が高い。回転角は270度と、ほぼ一回転するぐらい回るので、もちろん自分撮りも簡単。

photo レンズ部が回転するスイバルデザインのため、幅広い撮影状況に対応できる。回転はスムーズ

 10倍ズームを搭載しつつ、ポケットにも何とか収まるコンパクトデザイン。いわゆるカードサイズのデジカメなどと比べると大柄だが、高倍率ズーム搭載デジカメは、普通のカメラライクな外観であることが多いから、S4のフラットなデザインは、“カメラっぽい”外観ではないカメラが欲しい人にも有力な選択肢となるだろう。

 フラットなため、バッグへの収まりもいい。付属のレンズカバーもあり、気軽にバッグの中に入れて持ち歩ける。その代わり、ニコンお得意の「ナイスグリップ」ではないため、構えやすさは犠牲になっている。ただ、レンズ部を回転させて構える独特の持ち方になるが、比較的構えやすさは良好で、カードタイプのデジカメよりは持ちやすい。レンズを前方に向けた状態で構えると、重さも結構あるので、両手で持った方が安定しそうだ。

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