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台湾のOEMメーカー、「iPod効果」で上場初日の株価が大幅高

» 2005年10月26日 13時41分 公開
[IDG Japan]
IDG

 自分の名前を冠することができないOEMビジネスだが、それでも今回は絶大な利益があった。Apple Computerの音楽プレーヤー「iPod」の主要サプライヤーの1社である台湾のInventec Appliancesが10月25日、台湾株式市場に初上場し、株価は上場初日としては同市場で過去最高の上昇率を記録した。

 Inventec Appliances株は25日、発行価格の108ニュー台湾ドルより30%強高い140.5ニュー台湾ドル(4.17米ドル)で取引を終えた。株式市場アナリストは、Appleとの取引関係が好感されたことが主因と指摘している。

 電子機器の受託製造メーカーであるInventecはiPod製造で名を上げているが、顧客について語らない方針を取っている。だが、最近行われた25日の株式上場に関する記者会見で、Inventec幹部は1993年からAppleと取引を行っていると述べ、同社からの最近の受注について示唆した。

 Masterlink Securitiesの副社長アレックス・カオ氏は、Appleとのつながりのおかげで、Inventec Appliancesは厳しい株式市場環境の中で上場に成功したと語る。

 「もっと高値がつく可能性もあると思っていたが、今は市場全体があまり振るわない」(同氏)

 25日の台湾の主要株式指数は10月初めと比べて6.5%安の5721.31で引けている。

 Inventec Appliancesは自社のOKWAPブランドでの携帯電話製造や、各種小型デバイスの受託製造も行っている。

 同社の今年1〜9月の売上高は前年同期の422億ニュー台湾ドルから722億ニュー台湾ドル(21億4000万米ドル)に増加した。1〜9月の純利益は22億9000万ドルだった。

 iPodはAppleのここ数年の最大のヒット商品だ。Appleは、2005年度第4四半期(9月24日締め)にiPodは645万台の販売を記録し、販売台数は前四半期比ベースで10四半期連続の増加となったと報告している。今年1〜9月のiPodの販売台数は約1791万台だった。

 同社は9月初めにiPod nanoを発売しており、発売から第4四半期末日までの17日間で同機種を100万台販売したことを明らかにしている。

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