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新iPodをアレコレいじってみたっぽいかもしれない(1/4 ページ)

» 2005年11月04日 15時42分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

 発売日の当日、朝一でアップルストア銀座店へ出かけて第5世代iPod(以下 iPod video)を購入して2週間が経過した。その間いろいろいじったり計測したりしてみたので、いくつか気になったところをリポートしてみたい。

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実験その1:転送速度

 まずは、iTunesからiPod videoへ音楽を転送するのに必要な時間を計測してみた。わたしのiTunes(バージョンは6.0.1)のライブラリから、曲データの合計サイズが10Gバイトになるようにしたプレイリストを作成(1995曲)(*1)。これをMac/Win双方の環境で転送し、完了するまでの時間を計ってみた。

PowerMac G4 450 dual(Mac OS X)(※PCIカードを利用してUSB 2.0接続)

HFS+フォーマット 32分47秒
FATフォーマット 37分40秒

Pentium 4 3.2GHz (Windows 2000 SP4)

FATフォーマット 17分6秒

 USBを利用しての転送はCPUパワーに依存するところがあるから、この古いMacintoshで比較するのはかわいそうだなと思って、Windowsの方のBIOSをいじってCPU速度を半分にしてもみたのだけれど、そうしても転送時間は17分13秒とほとんど変わらなかった。

 なお、参考までに、ひと世代前のiPodとPowerMacをFireWireで接続したときの転送時間はHFS+で27分35秒。

 Mac OS Xでの、HFS+とFATの転送時間がそれほどには違わないというのも注目だ。かつてはFATだと速度が半分になるとか言っていた時代もあったのだけど、OSやソフト(iTunes)側の改良が著しいようだ。これなら、データのコンバートのことなんかを考えたらFATフォーマットでもいいかなと思うのだけど、ちょっと落とし穴がある。

 iPod videoを接続したあと、iTunesで認識されるまでの時間が全然違うのだ。HFS+ならば数秒程度のところ、FATだと1分〜1分半の時間がかかってしまう。もともとMacでiPodをFAT接続するというのは動作保証外なのだけど、これはちょっと残念。

 もうひとつ実験。iPod videoはUSB接続のみでアップルお家芸のFireWire(IEEE1394)が省かれてしまった。アップルはついこの間まで、高速データ転送はFireWireにまかせて、USBは1.1のままという方針だったので、ちょっと古いマックユーザーはかなり困ってしまう。もちろん、USB1.1でも転送できないわけじゃないけれど、ものすごく時間がかかるのだ。さすがに10GBのデータを計る元気はなかったのでぐっとおとなしく120Mバイトで計ってみた結果は、5分32秒。10GBだったら7時間52分かかる計算だ。

実験その2:バッテリの保ち

 公開されているiPod videoの仕様によれば、60Gバイトモデルでは音楽再生時間が最長20時間、ビデオ再生時間が最長3時間ということになっている。これが本当なのかどうか試してみた。iPod video(60Gバイトモデル)をACアダプタに接続しフル充電したところから実験を開始する。フォーマットはFATだ。

1.ビデオ再生時間

 iPod videoに入れたビデオを連続ループ再生。データは全部でおよそ3.5時間分。MPEG-4、H.264は混在。再生を開始したときから、“バッテリー残量がありません”のワーニングが出て停止するまでを、ストップウオッチで手計測。

 結果:4時間6分16秒

2.音楽再生時間

 転送実験で使った10Gバイトのプレイリストをそのまま再生。バッテリーが切れるまで操作はなし。データはMP3、AAC混在。バックライトは最初の操作時を除いてずっとオフ。ボリュームは大体7割のところ。ヘッドフォン出力をアンプにつないでスピーカーで音楽を流した(*2)。やはりフル充電で再生を開始して停止するまでをストップウオッチで手計測。

 結果:20時間54分45秒

3.音楽再生時間(バックライト常時点灯)

 ビデオの再生時間が短いのはバックライトがずっと点灯しているからだろうという推測が成り立つので、音楽再生でもバックライトを常時点灯させておいたらどうなるかという実験。測定条件は2.と同じだけど、バックライトを常時オンにした。

 結果:5時間43分35秒

 公称以上の結果が得られてしまった。文句のつけようがない。2.の音楽再生時間は再生中に操作を行わなかったので(ハードディスクの無駄な回転もなかったはず)、実際に利用する際にはこれより若干短くなるだろうが、20時間以上というのは嘘ではない。

 3.と2.の差がバックライトの消費する電力で、やはりこれは大きい。また、1.と3.との差が、音楽のデコードとムービーのデコードとの消費の差になる。やっぱりムービーのデコードの方が電力を消費するのだ。ハードディスクが短時間に回ったということも大きいかもしれない(*3)。

 最後にもうひとつ実験。バッテリーが空になったiPod videoをACアダプターに5分間だけ接続。その後、2.と同じ条件で音楽再生。このときは停止するまで45分30秒だった。あわてて充電してもこのくらいは保つのだ。



*1実際には10,737,423,470バイト。5230バイト足りないのだけど、これ以上調整する根気がなかった。

*2ずっとヘッドフォンをつけていては生活に差し支える。

*3ムービーのビットレートはだいたい800kbps。音楽は平均160kbpsくらい。それぞれが4時間と21時間再生なので、読み出したデータ量はおよそ一緒ということになる。

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