ITmedia NEWS >

PCレスでも楽しめるポータブルプレーヤー、ビクター「XA-MP100」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年11月08日 00時00分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 対応フォーマットはMP3とWMA。Windows DRMにも対応する。転送(管理)用のオリジナルソフトは用意されておらず、エクスプローラを利用したドラッグ&ドロップ、もしくはWindows Media Playerを利用する。

photo PCと接続するとリムーバブルディスクとして認識されるが、WMPを利用した転送も可能

 本製品はダイレクトエンコーディング機能を搭載しているので、ミニコンポなどと本製品をアナログケーブルで接続して録音することができる。生成されるファイルのフォーマットはMP3で、ビットレートは96k/128k/160kbpsの3段階に調整可能。無音状態を検出し、自動的にファイルを分割する無音検出機能(A.TRK)も用意されている。

 無音検出機能は秒数などを変更できず、ON/OFFの切りかえのみだが、ポータブルCDプレーヤーと組みあわせてダイレクトエンコーディングを行ってみたところ、問題なく曲間を認識し、曲ごとにファイルが生成された。ファイルは本体メモリの「LINE」フォルダにL001.mp3/L002.mp3……と収納される。

 楽曲を転送すれば本製品でリスニングを楽しめるが、アーティスト名やアルバム名から楽曲を選ぶインタフェースは用意されておらず、収納されたファイルをアルファベット順で再生するか、MENUキーから収納されたファイルをエクスプローラ形式で表示する「ナビゲート機能」から任意のファイルを指定する必要がある。

photo 「ナビゲート機能」の画面

 正直に言ってこのインタフェースは選曲がしにくい。本製品は1Gバイトのメモリを搭載しており、約500曲(WMA 64kbps/1曲4分として)もの曲を保存することも可能なほか、液晶画面にはID3タグを表示する能力も持っている。せめてアーティスト名かアルバム名から楽曲を探すインタフェースを実装して欲しかった。

 再生中では画面の上から音量、アルバム名(フォルダ名)、曲名(ファイル名)、経過時間などが表示される。再生や停止、音量調節などの基本操作に用いるボタンは独立しているために、操作を行う上で戸惑いを覚えることはない。ボタンに対する反応も機敏で、ストレスを感じることはない。

photo 再生中の画面

全域にバランス良く鳴るプレーヤー、EQをアクセントに

 視聴してみた感想だが、18ビットΣΔ(シグマデルタ)D/Aコンバーターの搭載や、高磁力ネオジウムマグネットユニットを搭載したヘッドフォンのおかげか、かなり解像感が高く、全域に渡ってバランスよく音が鳴っているという印象だ。

 本製品にはクラッシック/ジャズ/ロック/ポップ/バスという5種類のプリセットイコライザーを備えているが、それらの効きもかなり強力。曲調とプリセットイコライザーの組み合わせよっては「音量を上げたっけ?」と思えるほど、音像が前に出てくる。

photo ユーザーイコライザーの設定画面

 イコライザーの効き具合とあわせて考えてみると、クラッシックやジャズ、ポップよりもロックやダンス系の音楽に向いているように感じられた。ヘッドフォンを標準添付のものからゼンハイザーのMX400に交換してみてもこの傾向に変化はなかったので、これは本製品の持ち味と捉えた方が良さそうだ。


 本製品は機能的に目新しい点はないが、スクウェアなフォルムはスティックタイプやカードタイプのデジタルオーディオプレーヤーを見慣れた目には非常に新鮮。各社製品の機能差が少なくなってきた現状を考えれば、新鮮なデザインはそれだけで大きなアピールポイントになる。

 これまでにも多くのオーディオ製品を手がけている同社製品らしく音質面のクオリティも高い。乾電池駆動であるところも、長時間の旅行へ携帯することを考えると大きなメリットになるはずだ。

 それだけに選曲インタフェースの未熟さ(と言ってもいいだろう)は気になる。ボディを小型化するということは液晶とボタンサイズに制約を生むこととなってしまい、分かりやすい選曲インタフェースとの両立が難しくなることは想像に難くないが、そこは今後の努力を期待したいところだ。

 とはいえ、優秀な無音検出機能などダイレクトエンコーディングも使いやすく、ポータブルCD/MDからデジタルオーディオプレーヤーへの乗り換えを検討しているユーザーには検討に値する製品であるといえる。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.