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“iPod課金”見送り――メーカーら含めた新たな検討の場も

» 2005年11月11日 12時32分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 文化庁文化審議会著作権分科会は11月11日、法制問題小委員会を開催。私的録音録画補償金制度の見直し問題、いわゆる“iPod課金”の問題については結論を急がず、継続審議にする方向を示した。

 開催された小委員会では、これまでの議論の経過と今後の方向性をまとめた「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 報告書(案)」が提出された。

 報告書案では現在の私的録音録画補償金制度について「これまで一定の機能を果たしてきた」と評価しながらも、同時にさまざまな問題を含んでいることも指摘し、「現時点で(HDD)内蔵型機器の指定を行うことは必ずしも適切ではないと思料する」と結論づけた。音楽関係7団体などが早急な実施を求めた“iPod課金”はひとまず見送られた格好だ。

 制度自体については、「消費者告知の徹底」と「共通目的事業の再検討ないし見直し」を速やかに進めるべきであると当面の改善目標を示すとともに、「抜本的な見直し及び補償金制度に関してもその存在や他の措置の導入も視野に入れ、抜本的な検討を行うべきと考える」と抜本的な見直しが提言された。

 今後の検討については「2007年度中に一定の具体的結論が得られるよう、迅速に行う必要がある」と具体的な期限が明言された。また、“具体的”な結論を得るためには、利用者や市場の実態をふまえた検討が求められることから、報告書案では、同委員会以外にもメーカーや消費者なども含めた、新たな検討の場を設けることも必要であるとしている。

 今回提出された報告書案については、12月に行われる次回の委員会でとりまとめが行われる予定となっており、まとめられた報告書案は著作権分科会へ報告・審議の上、2006年1月に著作権分科会として正式に公表される予定となっている。

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