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光学式+高感度で“ブレ知らず”――サイバーショット「DSC-T9」レビュー(1/4 ページ)

» 2005年11月15日 15時12分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 ソニーのサイバーショットTシリーズは「薄型大画面」をはやらせた功績はあるけれども、その後はマイナーチェンジが続き、マンネリ化を免れられず、正直なところ「新鮮味が薄れてきたなあ」「そろそろ革新的な何かを追加しないとやばいんじゃないかなあ」と思っていたのである。

 そうしたら、起死回生の新型がやっと出てきたのだ。数カ月前に登場した「DSC-T5」(以下、T5)はなんだったんだというくらい、今度のは新しい。

 「DSC-T9」(以下、T9)である。見た目的には今までのTシリーズと大して変わらない。下にスライドさせて開くレンズカバーのデザインが変わってボディの半分を占めるサイズとなり、本体との一体感が増してちょっと精悍になったくらいだ。でも中身に大きな新機軸を加えてきた。「光学式手ブレ補正」である。

一見、今までのTシリーズとあまり変わらない外観。でもボディの縦横はT5より少し小さくなっている。レンズはカールツアイスのバリオ・テッサーブランドが冠されている

手ブレ補正機能付き薄型大画面

 
レンズカバーは大きくなり全体の半分くらいのサイズ。これを下に押し下げると電源がオンになる。レンズ横にAF補助光が装備されている。
横から見るとボディの薄さがわかる。レンズカバーはしっかりした厚みを持っているので、実際のボディはかなり薄いと思っていい。レンズカバーを除いた厚みは16.8ミリ

 「スタイリッシュコンパクト」に光学式手ブレ補正を入れたのは、松下電器産業、コニカミノルタに次いで3番目。レンズが飛びでない屈曲光学系ではコニカミノルタの「DiMAGE X1」に次いで2番目であるが、DiMAGE X1がレンズユニット+CCD全体をスイングする大胆な方式なのに対し、ソニーはレンズユニットとCCDの間にあるシフトレンズだけを動かす方式を開発。だからDiMAGE X1のようにレンズユニットの振動がカメラに伝わっちゃうこともない。屈曲光学系を採用しているため、松下電器産業の「DMC-FX9」より薄い。そういう意味で、T9はなかなかのものだ。

 そのレンズは38〜114ミリ相当の3倍ズームでF3.5〜4.3。最短撮影距離はマクロ時で8(W)〜25(T)センチ。拡大鏡モードではワイド端固定で1センチまで寄れる。

 屈曲光学系ゆえにワイド端やテレ端での収差は結構発生するが、隅々まで高画質を求めるクラスではないと割り切ろう。

上面を見ると厚みが微妙に変わっているのが分かる。かなり凝った設計だ。上面には電源スイッチ(もちろんレンズカバーの開閉も電源と連動している)、シャッター、そして手ブレ補正オン/オフのボタンがある。手ブレ補正ボタンは地味で特にインジケータがあるわけじゃないのが奥ゆかしい(といっていいのか)。モード切替スイッチがいかにも樹脂製という作りでちょっと残念。
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