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オークションの海賊版出品撲滅へ、協議会発足

» 2005年12月01日 18時43分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 音楽CDの海賊版など、知的財産権侵害品のネットオークションでの売買を撲滅しようと、権利者団体やオークション運営企業などが集まって「インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会」を12月1日に発足した。侵害品の出品者情報を権利者に開示する仕組みや、ユーザーを啓蒙する方策などを協議。関連の法改正提言も視野に入れながら、来年3月末までに意見を集約する。

photo ヤフーの別所直也法務部長(左)とACCSの葛山博志戦略法務室長

 ヤフーとコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)が中心となり、日本レコード協会、日本動画協会など権利団体と、ディー・エヌ・エー、楽天などオークション事業者が共同で設立した。オブザーバーとして警察庁や経済産業省、総務省、文化庁、内閣官房知的財産戦略推進事務局も参加し、法制度面から助言する。

 協議会では、ブランド品や家電製品などの模造品や、音楽CD、DVDの海賊版など、著作権や商標権、意匠権を侵害しているとみられるオークション出品者への対策を話し合う。

 まず、侵害品の出品者情報を、ISPやオークション事業者から権利者に開示するための仕組み作りを検討する。ヤフーの別所直也法務部長は「現行のプロバイダ責任制限法では、ISPに対してオークションの違法出品者の情報開示を求めるのは難しい」とし、同法の改正提言も含めて検討していきたいと話す。

 最近は、出品物が権利を侵害しているかどうかを見極めるのが難しくなっているとACCSの葛山博志戦略法務室長は指摘する。「以前は、海賊版が出品者は出品情報に『コピー品』と書くことも多かったが、最近は一見正規品に見える違法出品ばかり」(葛山戦略法務室長)。正規品か違法品か分からない“グレーゾーン”にどこまで踏み込むかを含め、対策を検討していきたいとした。

 侵害品の出品をオークション事業者が差し止めるため仕組み作りも検討するほか、権利に関する啓発活動も行っていく。

 協議会メンバーは、権利者側がACCS、日本レコード協会、日本動画協会、日本国際映画著作権協会、ユニオン・デ・ファブリカン(フランスのブランド品知財保護団体)と、バイクの模造品に悩む本田技研工業、カメラ充電池の模倣品が多く出品されているというキヤノン。オークション事業者側がヤフー、ライブドア、楽天、ディー・エヌ・エー、WIN、アイ・オークションネット。

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