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IPSパネルの低価格32V型液晶テレビ――イーヤマ「Hello TV」レビュー(1/3 ページ)

» 2005年12月09日 12時48分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 イーヤマ販売の「PLC3200-S1」は、同社の直販サイト「e-shop」のみで販売しているハイビジョン対応32V型液晶テレビだ。価格は12万9800円と、最近増えてきた“デジタルチューナーレス&低価格”の液晶テレビに分類されるが、1366×768ピクセルのIPSパネルを採用した点とPC接続機能が特徴。PC用ディスプレイで知られるイーヤマならでは、の味付けといえる。

photo 「Hello TV」のニックネームを持つ「PLC3200-S1」。デザインはオーソドックスなもので、「iiyama」のロゴがなければ家電メーカーの製品と区別がつかないだろう。なお、本体とスタンドは完全に固定されており上下左右の角度調整はできない

 外観は、液晶パネルの下にステレオスピーカーを配置する「アンダースピーカー」タイプだ。パネルの周囲はブラックで、ほかの部分がシルバーの典型的なカラーリングが施されている。外形寸法は32インチ液晶テレビとしては平均的で、高さ(65.72センチ)だけが若干高めに見える。スタンド部の奥行きは22.03センチ、重量は20.7キロだ。また、パネル直下の中央部に本体の操作部を備えており、音量、チャンネルアップ/ダウン、入力切替、メニュー操作が可能になっている。

 AV入出力は比較的豊富だ。入力は、コンポーネント+オーディオが2系統、S端子+オーディオを1系統、コンポジット+オーディオを3系統、そしてD4対応のD端子も備える。ちょっと複雑なのは「コンポーネント入力1」がD1(480i)専用で、D4まで対応する「コンポーネント入力2」とD端子が音声入力端子を共用している点。コンポーネント入力2とD端子は、両方にケーブルを接続すると切り替えて映像を表示できるのだが、どうやら排他利用が前提になっているようだ。つまり、音声も一緒にHD映像を入力できるのは“1系統だけ”となり、デジタルチューナーレスの製品としてはちょっと物足りない。このほか、コンポジット+オーディオのAV出力も1系統備える。

photo 主な入出力端子は左側面と背面に分けて配置されている。左側面にはコンポーネント/S端子/コンポジット入力をサポートするAV入出力端子が並ぶ
photo D端子/DVI-D/アナログRGB端子は背面で、下向きに端子が配置されている。ケーブルが後方に出っ張らない点はよいが、ちょっとアクセスしにくいのが難点。アンテナ入力とPC接続用のオーディオ入力も背面に下向きに配置されている

 PC接続用には、アナログRGBとDVI-D端子を備え、2系統の入力が可能。最大1280×1024ピクセルのほか、パネル解像度に近い1280×768ピクセルの映像信号入力にも対応している。なお、DVI-D端子はHDCPに非対応。HDMIーDVI-Dの変換ケーブルを利用しても著作権保護されたDVDビデオやデジタル放送を表示することはできない。実際に手元にあった東芝「RD-XD91」のHDMI出力と変換ケーブルで接続してみたところ、ケーブル接続を認識しているにも関わらず、映像はまったく表示されなかった。

 リモコンは、ちょっと大きめだ。それだけに、多くの機能に独立したボタンが割り当てられているのだが、入力切替の部分がちょっと引っかかる。同機の場合、外部入力は「ビデオ」ボタンで切り替えるのだが、たとえば内蔵チューナーでテレビを視聴しているときや、PC入力からD端子入力へ切り替えようとすると、8回も「ビデオボタン」を押す必要がある。これは、常に「AV1→AV2→AV3→カードリーダ→S入力→コンポーネント1→コンポーネント2→HDTV(D端子)」を最初から順に切り替わるため。外部入力数が豊富であるがゆえの弊害ともいえるが、せめて前回利用したAV入力から始まるとか、もう少し配慮してほしかった。

photo デジタルチューナー非搭載のテレビとしてはボタンが多め

広い視野角と明るくあざかな発色

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