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あらゆるソースを“おまかせ”で最適な音響に――BOSE「FreeStyle II」サラウンドシステム特集(1/3 ページ)

» 2005年12月19日 12時05分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 1年ほど前に、“5万円以下”というくくりで5.1chサラウンドシステム特集を組んだことがある。当時、ホームシアターシステムが話題に上る機会は確実に増えていたが、それでもまだ、購入に踏み切る人はごく一部だった。そのため、“一般への普及には低価格入門機の存在が不可欠”と感じ、そのようなくくりとしたわけだ。

 状況はさほど変わっていないかもしれないが、今回のボーナスシーズン(筆者のような職業には無縁だが)では、機は熟したと見て、大画面テレビ、あるいはプロジェクターと、5.1chサラウンドシステムを一挙に揃えようと考える人も多そうだ。あるいは、低価格サラウンドシステムから買い替えたいという方もいるかもしれない。そんなわけで、今回は少し価格帯を上げ、10万円以下の中価格帯、実質的には8〜9万円前後の製品を集めて、レビューを行っていきたいと思う。

 まず、最初に取り上げるのは、BOSEの「FreeStyle II(FS-321II)」だ。スピーカーメーカーとして知られる同社では、49万9800円の「LifeStyle 48」を最高峰に、幅広いホームシアターシステムを提供している。その中で最も手頃な製品が、9万4290円の「FreeStyle II」だ。

photo 従来モデルと同じく、イメージアレイ2本とベースモジュールで構成される、BOSEのスーパーフロントサラウンド・スピーカーシステム「FreeStyle II」

 IIがつくだけにモデルチェンジなのだが、初代「FreeStyle」でも中核となるサウンド自体は、すでに完成していた。そのため、基本部分は特に変わらない。新機能の中心はデジタル放送のMPEG-2 AAC音声のデコードで、そのほか、リモコンやインタフェースモジュールなどに改良が加えられた。

2ch分のスピーカーを収納したイメージアレイ2本で“4ch”音響を実現

 BOSEではFreeStyleシリーズを、“スーパーフロントサラウンド・スピーカーシステム”と称している。「イメージアレイ」と呼ばれるサテライトスピーカー2本と、デジタルサラウンドアンプとウーファーを一体化した「ベースモジュール」、そして、音声入力端子とリモコン受光部を備えた「インタフェースモジュール」のみのフロントサラウンド構成だ。

photo ベースモジュールは幅221×高さ360×奥行き488ミリとかなりの大きさだが、デジタルサラウンドアンプ部もここに内蔵されている
photo ベースモジュールには電源のほか、インタフェースモジュールとイメージアレイへの接続用端子が装備されている。主電源スイッチはなくなったようだ

 ただし、各イメージアレイ内は完全に独立した2つのスペースに分離され、その各々に6センチドライバーユニットが収められている。さらに、各々のユニットはパワーアンプで個別にドライブするため、フロントサラウンドとはいえ、実質的には4.1ch構成を実現しているわけだ。

photo イメージアレイには、完全に分離された2つの6センチドライバーユニットを内蔵。そのため、実質的に4.1ch構成となる
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