また、「HT-SL99BW」とは異なり、外付けタイプの受光ユニット「DIR-R2」は別売となった。しかし、1メートル以上の高さのトールボーイ型スピーカーの最上部へ設置という手段が採られているため、信号経路の確保が困難になることはほぼないと思われる。
リア左のユニットには、このほかパワースイッチが装備され、さらに、底面にはリア右用のスピーカー端子もある。ほかの3本のスピーカーの底面に用意されているのは、アンプからのケーブルを接続するためのプッシュ型端子だが、リア右に関しては、出力側(いわば“アンプ側”)となるため、プラグ式の端子だ。
もちろん、電源ケーブルの接続も必須だが、リアスピーカーは壁際への設置が基本となるため、じゃまになることはない。ただ、部屋の構造やコンセントの位置によっては、リア右の位置のほうが受光や電源への接続に都合がいいというケースもある。その場合、リアの右と左を入れ替えて使えればいいのだが、残念ながら、そうした設定はスピーカー側でもアンプ側でも用意されていない。
また、ここまですっきりすると、リア左からリア右へのスピーカーケーブルの存在が多少うとましく感じられる。通常のケーブルではなく、長さ調整が可能でフラットな形状のジョイントの類を採用してもよかったのではなかろうか。まあ、これはユーザーが各自、ケーブルの長さを調整したうえで、市販のケーブルカバーなどを使用すればいいことではあるが。
設置に関しては、受光ユニットの関係から、フロントと向かい合うようにリアを置くのが前提かと思ったが、そうではないようだ。説明書では、一般的なサラウンド環境と同じく、側面の壁へ横向きに設置し、リスニングポジションへ向くように、ほんの少しだけ前方へ角度をつける置き方が最適とされている。赤外線の送受信をさまざまな位置・角度で試してみたところ、完全に横からとなると届かないようだが、斜めであれば、かなりの角度でも信号の品質には影響はなかった。
アンプ/チューナー部は、外見上は「HT-SL99BW」のものと同様で、音声入力はデジタルが光角型2系統と同軸1系統、アナログが3系統と、装備する入出力端子もほぼ変わらない。ただし、フルデジタルアンプ「S-Master」 の採用により、実用最大出力は全スピーカーとも86W(総合出力516W)と格段に向上。サブウーファーもパッシブ型となったにもかかわらず、アンプ/チューナー部の重量は3.3キロと意外なほど軽い(「HT-SL99BW」では5.1キロ)。さらに、冷却ファンも排除されたため、ほぼ無音で動作可能だ。
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