ソニー、あるいはパイオニアが、早い時期からホームシアターシステムにワイヤレスを導入したのは、至極当然という印象だ。しかし、デノンと言えば、質実剛健な(オーディオ寄りの)AV機器メーカーという印象があり、リアスピーカーをワイヤレス化した「DHT-S7000」をリリースしたのは少し意外だった。
同社では、高品質のコンポーネントを揃えた「77XG」シリーズを筆頭に、気軽に導入できる2.1chホームシアターシステム「D-M51DVS」や、DVDホームシアターシステム「S-301」を提供。その中で、DHTシリーズは“コンパクト&シンプル”を目指した製品群となる。
この「DHT-S7000」では、AVアンプ「AVC-S7000」自体に2.4GHzデジタルワイヤレス方式のトランスミッターを内蔵した。付属のレシーバー「RV-S7000」は、小型ボディながら2chアンプ(50ワット+50ワット)が搭載されており、通常のアンプと同様に、リアスピーカー2本を接続できる仕組みだ。また、通信は非圧縮のリニアPCMで行われるため、音質劣化も最小限に抑えられているという。
ワイヤレストランスミッターを内蔵したためというわけではないと思うが、「AVC-S7000」のサイズは幅434×高さ70×奥行き318ミリと、ほかのDHTシリーズ製品と比較すると、段違いに大きい。それでも前回紹介したソニー「HT-SL800W」のアンプとほぼ同じ程度には収まっているのだが、質量は6.4キロとかなりのもので、持ち上げるとずっしりと重い。
リアスピーカーはワイヤレス経由での出力のみ可能なため、背面のスピーカー端子はフロントL/R、センター、スーパーウーファーの4基となる。スーパーウーファー・プリアウト端子も装備されているが、標準パッケージで利用するかぎりは使う必要はない。付属のスピーカーケーブルは、リア用の2本が5メートルとワイヤレス利用のわりにはかなり余裕があり、それ以外の4本は3メートルとなる。
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