オンキヨーもデノンと同じく、どちらかというとオーディオに重きを置いたAV機器メーカーである。加えて、“WAVIO”シリーズ製品やNet-Tune対応ネットワークプレーヤー、エニーミュージック対応HDDオーディオターミナル「NES-1A」、デジタルAVワイヤレスシステム「WL-TR100」など、いわゆるPC/ネットワーク寄りの分野にも積極的に取り組んでいる。
しかし、同社のホームシアターシステムは、決してそうした方面で培った技術を注ぎ込んだものではなく、強いて言うなら“何の変哲もない”製品がほとんどだ。ただ、これは悪いことではなく、以前「BASE-V10X」のレビュー記事で書いたとおり、低価格製品ながら、その音質は高いレベルにあり、音楽再生からサラウンド音響までを十分に堪能できる。
この「BASE-V10X」には、「BASE-V20X」という上位モデルも存在する。実用最大出力が20ワット×5+60ワット×1(総合出力160ワット)へと引き上げられ、各スピーカーもより性能の高いタイプへとランクアップ。センタースピーカーはフロント/リアと同一のユニットではなく、2ウエイ3スピーカー(8センチウーファー×2、2センチツイーター×1)で、サブウーファーもより出力の高いものだ。
さらに今回、ここへ追加されたパッケージが「BASE-V15X」だ。その名称どおり、既存2製品の中庸をとったモデルで、実用最大出力はV10Xと同じく15ワット×5+25ワット×1(総合出力100ワット)だが、フロント/リア/センターのスピーカーにはV20Xのものを採用した(型番は異なるようだが、性能的には同じユニットと思われる)。
このシリーズでは、AVコントローラーと呼ばれるメインユニットには、コントロールアンプ部とチューナー部しか搭載しておらず、パワーアンプ部はサブウーファー側に内蔵されている。要するに、BOSE「FreeStyleII」と同様の構成だ。そのため、実用最大出力が異なるとはいえ、AVコントローラーは基本部分はシリーズ全製品共通で(まったく同一ではないようだ)、サブウーファーユニットの違いにより、出力性能が差別化されている。つまり、「BASE-V15X」では、サブウーファーが「BASE-V10X」と同じというわけだ。
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