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「どこでもロケフリ」から「SonyReader」、「PSPとつながる家電」までInternational CES 2006

» 2006年01月07日 03時32分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 82型液晶や薄型SXRDリアプロ、Blu-ray Discプレーヤー「BDP-S1」など、HDにフォーカスした製品が目立つソニーブースだが、注目製品はそれ以外にも多い。いくつかをピックアップして紹介する。

photo ソニーブース

どんなテレビでも「ロケーションフリー」にするボックス

 ロケーションフリーテレビのコーナーには、参考出品ながら「Locationfree Box」と名付けられたレシーバーボックスが展示されていた。

photo 「Locationfree Box」。ロケーションフリーベースパックステーション「LF-PK1」の色違いのような外観

 この製品は名前の通り、ロケーションフリーテレビのベースステーションと組み合わせることで、一般の家庭用テレビをロケーションフリーテレビの受像器として機能させるレシーバー。LF-PK1(ベースステーション)とLF-X11(米国で販売されている12.1インチ液晶を搭載したロケーションフリーテレビ)との互換性を持っている。

 「海外でもロケーションフリーテレビを大画面で楽しみたいという要望が多かったので、今回参考展示してみました」(同社説明員)

 つまりリビングのベースステーションと自室のテレビを接続するという家庭内ネットワーク用デバイスとしてではなく、あくまでも“ロケーションフリー”の製品として企画しているという。

 そのほかにも、再生機器にスマートフォンを利用したデモも行われている。実際にはデータの転送を行っておらず(デモ映像を携帯電話のメモリーに保存している)、あくまでもコンセプトを紹介するレベルにとどまっているというが、ロケーションフリーテレビのコンセプトにはマッチした内容のデモだ。

photo スマートフォンを利用したロケーションフリーテレビのデモ。電話自体はソニー・エリクソンのP990がベースとなっている

PSPでスゴ録を操作――PC/PSP/スゴ録/BRAVIAがDLNAで“つながる”

 ホームネットワークのコーナーで行われていたのが、PSPとスゴ録、BRAVIA、PCを組み合わせ、相互のコンテンツ運用はもちろん、PSPからスゴ録を操作し、BRAVIAで映し出すことができるというデモだ。

photo

 これは策定が進められているDLANガイドライン1.5にそって構成されたもの。DLNAガイドライン1.5ではコンテンツの再生/停止など、各種操作をLAN上のそのほかの機器から行える機能が組み込まれ(コンテンツはどの機器に収納されていても問題ない)、その機能を利用すれば、今回のデモのようにPSPを“司令塔”としてネットワーク上の各種機器を操作できる。そのほかにも、“再生引き継ぎ”とも呼べる機能が実装されており、スゴ録の番組をリビングのBRAVIAで途中まで見て、続きは寝室に持ち込んだPSPで楽しむといったことも可能になってる。

 デモに使用されている機材はBRAVIA(KDL-40X1000)、スゴ録(RDZ-D90)、PSPなどだが、ハードウェアに特別な措置は施されておらず、将来的にはソフトウェアのインストールかファームウェアのアップデートで対応できているという(デモではPSPのDLNAクライアントソフトはUMDでセットしているそうだが、ファームウェアアップデートで対応することも可能だという)。

 また、このネットワークに参加していたVAIOにはXMB(クロスメディアバー)をインタフェースとして採用したDLNAクライアントソフトがインストールされていた。つまり、PSP/スゴ録/BRAVIA/VAIOのインタフェースがすべて統一されているわけで、こうした利用に際しての利便性は飛躍的に高まるだろう。

北米デビュー電子ブック、ソニー初のHDDカムコーダ

 基調講演で同社CEOハワード・ストリンガー氏が紹介した電子ブックリーダー「Sony Reader」(PR-500)ももちろん展示されている。

photo 「Sony Reader」。北米では今年上半期中の発売が予定されている

 これまでにも同社は電子ブックリーダーとして「リブリエ」(EBR-1000EP)を販売しているが、Sony Readerはリブリエと異なり、本体下部にキーボードを持たない。表示可能なファイルタイプはBBeB(同社独自の電子書籍ファイル)/pdf/rtf/jpegなどで、本体内に64Mバイトのメモリを搭載する。また、同社が北米地域で展開している音楽配信サイト「CONNECT」からコンテンツが販売される。

photo CONNETからダウンロード購入した書籍は、専用ソフト「CONNET Reader」でSonyReaderへ転送する

 HDカムコーダ「DCR-SR100」も注目の製品だ。同社初のHDD内蔵型で、30GBのHDDを搭載する。CCDは3メガピクセルで、レンズはおなじみの「カールツァイス・バリオゾナー」。内蔵マイクによって5.1chのサラウンド録音も行える。北米地域では3月に1099ドルで発売される。

photo DCR-SR100

 バッテリーを本体側面にセットするスタイルのため、円筒形に近いずんぐりしたフォルムだが、手にしてみたところホールド感は悪くない。操作ボタン数も少なく、どちらかといえばビギナー層をメインターゲットとする製品だが、「DVD Burn」ボタンを押すとUSB接続したPCでDVDの作成が行えるなど便利な機能も備えている。

photo ブースにはライブスペースも用意されており、訪れた際にはCheyenne Kimballが熱唱中

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