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「MacBook Pro」の気になるトコロ(1/2 ページ)

» 2006年01月12日 05時20分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 Apple Computerは、米サンフランシスコで開催中の「Macworld Expo」でIntel Dual Coreプロセッサを搭載したノートPC「MacBook Pro」と「iMac」を発表した。Intelチップを搭載したことで、MacユーザーのみならずPCユーザーからも熱い視線を浴びるMacBook Proだが、初めてのチップだけに気になる部分も多い。同日、都内で開催されたアップルの基調講演イベントで話を聞いた。

photo 「MacBook Pro」

ネイティブアプリはいつそろう?

 まずは、MacBook Proのシステムを簡単におさらいしておこう。MacBook Proは、開発コード“Yonah”と呼ばれたIntelのモバイル向けチップ「Intel Core Duo」を搭載している。Core Duoの名前が示す通り、2つのコアとプロセッサと同じクロックで動作する2MバイトのL2キャッシュを内蔵。FSB(フロントサイドパス)は667MHzだ。アップルのリリースなどでは触れていないが、クロック周波数から見て「Intel Core Duo T2400」と「T2300」と思って間違いないだろう。

photo Intel Core Duoの内部構造
photo 新iMacで「このMacについて」を開いたところ。CPUは「Intel Core Duo」。OSはIntelアーキテクチャーに対応した「Mac OS X バージョン10.4.4“Tiger”」だ

 またMacBook Proでは、チップセットもインテル製を採用している。Intel Core Duoと同時発表されたチップセットのうち、内蔵グラフィックコアを省いたタイプの「Intel 945PM」を使用。アーキテクチャーとしては、完全にインテルプラットフォームになった。

 グラフィックチップは、加ATIの「ATI Mobility Radeon X1600」をPCI Express接続している(128Mバイトもしくは256MバイトのGDDR 3グラフィックメモリ)。アップルによると、インテルのチップセットに内蔵されたグラフィックコア(Intel GMA 950)に比べ、Mac OS Xの「Quartz Extreme」や「Core Image」をより高速に動作させるという。

photo 基調講演で示したベンチマークの数値

 スティーブ・ジョブズ氏は基調公演の席上、MacBook Proが従来のPowerBook G4に比べて「4倍高速だ」とした。この数字は、いわば「ベンチマークの総合評価」(アップル、プロダクトマーケティング担当課長の福島哲氏)。ネイティブ動作するアプリケーション(PowerPC対応を含め、ユニバーサルアプリと呼ばれる)が少ない現状では仕方ない部分だが、ユーザーとしては個々のアプリケーションのパフォーマンスも知りたいところ。そこでまず、アプリケーションの開発状況について聞いてみよう。

――ユニバーサルアプリの開発状況を教えて下さい。

 「アップルは、昨年のWWDCでインテルチップのサポートを宣言して以来、ツールキットや開発環境の提供などを進めてきました。期間はそれなりに設けていたので、かなりのソフトがユニバーサル対応になることを期待しています。また、今回の発表は当初の“2006年6月までにIntelチップ搭載Macを発表”というスケジュールを前倒しした形になりますから、あまり時間を置かずにユニバーサルアプリが増えてくる可能性はあると思います」。

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