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れこめんどDVD「マダガスカル」DVDレビュー(1/2 ページ)

» 2006年01月13日 09時04分 公開
[キャロルもつお,ITmedia]

「マダガスカル」

発売日:2005年12月2日
価格:3990円
発売元:角川エンタテインメンと
上映時間:86分(本編)
製作年度:2005年
画面サイズ:ビスタサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
音声(2):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語

 「ウチのキャシーは、ちゃあんとお話ができるのよー。ねぇ」などと、言いながら飼い猫を撫でている友人を前に、聞こえなかったフリをしてしまったワタクシですが、確かに、動物たちが会話をしているならば、その内容は気になるところ。ご紹介する「マダガスカル」も動物たちが主役のアニメーション。もちろん喋りまくります。しかもヤケに人間クサイ。

都会育ちの動物たちがジャングルに行ったら……

 物語の始まりはニューヨークのセントラルパーク動物園。マダガスカル島で冒険を繰り広げることになる主人公たちは、この動物園で生まれ育った仲良し4人(?)組。ライオンのアレックスに、シマウマのマーティ、キリンのメルマン、そして紅一点のカバのグロリア。特にアレックスとマーティは、本来ならば獲物と天敵の間柄でありながら、無二の親友。都会育ちの彼らは動物園の外の世界を全く知らない。

 スターとして何不自由なく生活できる今の状態に満足しているアレックスと、大自然に憧れるマーティ。しかし、ひょんなことからニューヨークを追われ、船での移送途中にアフリカのマダガスカル島に漂着してしまった4人は、生まれて初めて野生の生活と野生の動物を目撃! 突如、遭遇することになってしまったサバイバル。無事に乗り越えることはできるのか!? そして、野生の本能に目覚めてしまったとき、友情はどうなる!?

 表現方法に不可能などないかに思えるアニメーションにもかかわらず、本作ではほとんど動かない背景の前で、主人公たちが自分の思いを語りまくる。地味。そう、ヤケに地味な演出、展開。この調子で大冒険が始まるのか?? と心配になるくらいだ。しかも、この調子は実は最後まで貫かれる。妙に人間クサイ悩める動物たちの友情と冒険が、アフリカのマダガスカル島で展開していくのである。

日米の吹替キャストの紹介を

 主人公たちの声をあてているのは、ハリウッドの有名俳優たち。ただ、ちょっとこの俳優陣は、同じドリームワークス作品であり、同じく有名スターたちを声優に起用している「シュレック」や「シャーク・テイル」と比べて、日本における知名度がビミョー。アメリカではそれなりに知られたスターさんたちばかりなんだけどね。吹替版も流れに乗って日本人スターが担当。通常の冒険&友情アニメとは、趣が異なり、映像で魅せるというよりも、主人公たちの会話で物語を進めていく芝居っぽい雰囲気の作品を作り出した俳優たちとは……。

 <ライオンのアレックス>

 (米)ベン・スティラー。名前を聞いてパっと顔が浮かんだかしらん? 分かりやすいところで挙げると、「メリーに首ったけ」でキャメロン・ディアスにメロメロになっていた彼。そう、あの挙動不審で気が弱そうな彼ですね。ほかにも「ズーランダー」や「ミート・ザ・ペアレンツ」などに出ている売れっ子さん。しかも監督・製作・脚本もこなすなかなかの才人。ライオンのイメージはないけれど、彼自身ニューヨーク生まれの都会っ子なのが共通点か。

 (日)玉木宏。意外。なんだかとっても意外じゃない? 玉木宏がライオン。なんか違う。ただまぁ、ベン・スティラーと同じく都会育ちを思わせる役者さんを選んだのだろう。ちなみに、わたくし彼のファンでした。矢口史靖監督の「ウォーターボーイズ」の頃ね。当時の玉木くんはよかった。アフロヘアがとてもお似合いだった。玉木クンって、二枚目路線よりも、ああいうちょっと外れたキャラのほうが良さが出るのに! とご本人に伝えたい。

 <シマウマのマーティ>

 (米)クリス・ロック。「ビバリーヒルズ・コップ2」や「リーサル・ウエポン4」に出演していた彼であります。マシンガン喋りの黒人俳優さんね。「サタデー・ナイト・ライブ」のレギュラーを務めたこともある彼は、昨年のアカデミー賞では司会もやってのけた。

 (日)柳沢慎吾。慎吾ちゃんは説明の必要ないっすね。吹き替え版でも慎吾ちゃんのまま。クリス・ロックと同じく、リズムで話す人なので、アメリカ版との違和感は一番少ない。

 <キリンのメルマン>

 (米)デイヴィット・シュウィンマー。浮かばないでしょう。映画ファンでもすぐに誰だか分かる人は多くないはず。アメリカの国民的テレビドラマ「フレンズ」でロスを演じた。ブラピの“元”妻、ジェニファー・アニストン扮するレイチェルとくっついたり離れたりしていた役ね。だから、アメリカではよく知られたメジャーな俳優さん。彼のキャスティングの理由は、……長身だから、だろうね。

 (日)岡田義徳。特に長身でもなく、メルマンのキャラである神経質なイメージもない岡田クン。なぜにキャスティングされたのかは疑問。ただ、演技力は評価されている岡田クン。吹替えも器用にこなしております。

 <カバのグロリア>

 (米)ジェイダ・ビンケット・スミス。誰?って? 彼女も歴としたスター。太った肝っ玉母さんのような存在のグロリア。でもジェイダは痩身の美人。「アリ」や「コラテラル」に出演している黒人女優。「インデペンス・デイ」や「アイ,ロボット」などで地球のヒーロー! 的なイメージの強いウィル・スミスの夫人でもある。共にスターのおしどり夫婦としてハリウッドでは有名なカップルでございます。

 (日)高島礼子。こちらもカバのイメージからはほど遠い姐さん。3人の男たちを支える強き女、ってことでしょうか。

 っと、この通り。日米ともになかなかのスター揃いなのだ。本来、彼ら主人公たちの冒険にワクワクドキドキする映画でございます。が、実は。完全に完璧に脇キャラであるはずの別の4人組が主役たちを食っちゃっているんですねぇ。

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