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“iTunes追撃”のライブラリソフト「au Music Port」を試すレビュー(2/3 ページ)

» 2006年01月20日 01時36分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 対応端末がまだ発売されていないので、残念ながらau Music Portが持つ機能をすべてチェックすることはできない。しかし、ソフトが入手できたことに加えて、発表会場でわずかながらの時間だが実際に携帯電話と接続されたau Music Portを試用できたので、音楽ライブラリソフトとしての使い勝手はある程度伝えられると思う。

photo MUSIC LIBRARYの画面

 MUSIC LIBRARYの画面は左上に再生/停止などの操作インタフェース、中央に楽曲ライブラリという構成。これ以外もイコライザーや検索窓、「カテゴリ表示エリア」と名付けられたインタフェースなどが配置されており、やや煩雑な印象を受ける。

 ただ、多くの項目が配置されているおかげで操作時に細かなメニューを開く必要はあまりなく、一覧性は高い。着うたフルで歌詞カード付き楽曲を購入し、au Music Portへ転送した場合には、再生インタフェースの下、「歌詞カード」の場所で歌詞を見ることもできる。

 画面右上には「携帯とシンクロ」「携帯へ楽曲を転送」「CDから楽曲を読み込む」という3つのボタンが用意されている。本ソフトは楽曲転送以外に、着うたフルのデータバックアップソフトとしても利用可能だが、再生回数/期間/期限が定められているものやバックアップを許可されていないものについては、携帯電話から転送(バックアップ)できないという制限もある。

photo MUSIC LIBRARYの右上に用意されているボタン

音源入手は着うたフル/音楽配信/CDの3通り――ファイルインポートは不可

 楽曲の入手方法は、着うたフル/DUOMUSIC STOREで購入、もしくはCDからのリッピング。MP3やWMA、M4Aなどのファイルは扱えず、インポート/エクスポートも行えない(独自形式プレイリストのインポート/エクスポートのみ可能)。リッピングしたファイルは独自ファイル形式(コーデックはHE-AAC。拡張子は.KDR)で保存されるほか、DRMによる保護が行われるため、ほかのPCでリッピングした.KDRファイルをインポートすることもできない。ちなみに、DRMは携帯電話番号とひも付けがなされており、携帯電話の機種変更にも対応できる。

 「音源入手は着うたフル/音楽配信/CDの3通りで、ファイルインポートは使用不可」というシンプルなスタイルは、これまでデジタルオーディオプレーヤーを利用したことがない層に対しては扱いやすさをアピールできるかもしれない。だが、iPodやウォークマンなどがこれだけ普及した今となっては、利用者の多いMP3/WMA/AACぐらいはインポートできてもよかったのでは、と感じてしまう。

 Windows Media PlayerやiTunesなどと比較すると、ポータブルデバイス(携帯電話)が接続されているか、接続されているならばどのような状態なのかが把握しにくいのが気になった。また、携帯電話接続時にはカテゴリ表示エリアに「ケータイ」の文字が現れるのだが、色使いとフォントサイズのせいか、瞬間的な視認性はあまり高くないように感じる。

 iPodなどに比べて容量に限りのある(4GバイトのHDDを搭載したW41Tという例外もあるが……)携帯電話へ楽曲データを転送するため、プレイリストの活用は不可欠。ライブラリで曲名を選択した状態で右クリックし、「選択した項目からプレイリストを作成」でプレイリストが作成可能なほか、ジャンルやアーティスト、容量、再生時間などの複数項目を設定すると自動的にプレイリストを生成してくれる「ダイナミックプレイリスト」の機能も備える。もちろん、ライブラリから曲を「カテゴリ表示エリア」の「プレイリスト」へドラッグしてもOKだ。

photo ライブラリから直接プレイリストを作成
photo ダイナミックプレイリストの作成画面

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